頭皮のポロポロ、カサカサはなぜ? 赤ちゃんの頭皮トラブル対策
頭皮にフケのようなものがある、かさぶたができやすい、カサカサしているなど、敏感な赤ちゃんの頭皮にトラブルはつきものです。原因とケア方法について紹介します。
- 生後まもなく〜2カ月くらいのフケ・かさぶたは、「乳児脂漏性湿疹」の疑い
- 生後4〜5カ月のフケ・かさぶたは、「皮脂欠乏症湿疹」の疑い
- 自宅でのケアポイントは「ぬるま湯」「低刺激」「すぐ保湿」
- 症状が長引く場合は医療機関の受診を
生後まもなく〜2カ月くらいのフケ・かさぶたは、「乳児脂漏性湿疹」の疑い
この時期は、ママからのホルモン影響により皮脂分泌量がとても多いので頭皮はベタベタしています。この時期に、黄白色のかさぶたやフケのようなものがあるようなら、「乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)」の可能性があります。「乳児脂漏性皮膚炎(にゅうじしろうせいひふえん)」と呼ぶこともあります。
「乳児脂漏性湿疹」は皮脂の過剰分泌が原因で起きる皮膚炎で、皮脂を好む常在真菌(カビ)「マラセチア」の繁殖も影響しているといわれています。皮脂は本来、肌を乾燥から守ってくれるものですが、赤ちゃんの毛穴は未発達で詰まりやすいため、乳児の3人に1人は発症するといわれている湿疹です。おもな症状として、皮脂が固まってできたかさぶたや、ウロコやフケのようなものが見られますが、ジュクジュクすることもあるようです。
生後4〜5カ月のフケ・かさぶたは、「皮脂欠乏症湿疹」の疑い
この時期にフケのようなものが見られる場合は、頭皮の乾燥による「皮脂欠乏症湿疹(ひしけつぼうしょうしっしん)」が考えられます。
生後3カ月頃から、ママからもらったホルモンの減少にともなって皮脂の分泌量も減っていきます。赤ちゃんは、紫外線や乾燥、ホコリなどの刺激から肌を守るバリア機能が大人に比べて未熟なので、それまでの状態から一転して急激に頭皮が乾燥しやすくなるのです。症状としては、湿疹、皮膚表面がカサカサ、白い粉がふいている、頭皮が剥がれ落ちる、ひび割れができて痒い・痛い、などです。
自宅でのケアポイントは「ぬるま湯」「低刺激」「すぐ保湿」
原因は真逆ですが、ともに一過性の湿疹なので、家でのケアで自然に治ることも多いようです。とくに頭皮に異常がない場合も、湿疹の予防になるのでぜひやってみてください。
<入浴前のポイント>
かさぶたが取れない場合は、入浴の1時間〜30分前にワセリンやベビーオイルをかさぶたに塗っておくと、かさぶたが柔らかくなり取れやすくなります。
<入浴中のポイント>
◇お湯は37~38度が目安。40度以上だと温まって痒みを感じやすくなります。
◇刺激の少ないせっけんやボディーソープをよく泡立ててください。夏など1日に数回汗を流す場合でも、洗浄剤は1日1回。
◇爪をたてて洗わない、指の腹で優しく撫でるように。
<入浴後のポイント>
◇シャンプー後は、タオルで押さえつけるように水気を拭き取ってください。くれぐれもこすらないように。
◇入浴後は乾燥しやすいので、すぐにローションなどの保湿剤を頭皮に塗りましょう。
◇脱衣所ほか室内が乾燥しすぎないようにすることも大切です。
症状が長引く場合は医療機関の受診を
自宅ケアをしっかりしてれば自然に治ることが多いようですが、次のような場合は医療機関を受診しましょう。
◇自宅でケアしても改善しない
◇掻き壊してしまっている、皮膚がむけている、赤ちゃんの顔や体に広がっているなど症状が見られる
赤ちゃんの頭皮は未熟なのでとてもデリケートです。ちょっとした刺激で痒みや湿疹が出やすく、また無意識に掻き壊してしまうことがあるので、トラブルを防ぐためにもきちんと頭皮ケアを心がけましょう。