赤ちゃんの突然の痙攣(けいれん)!? 万が一起きたらどう対処すればよい?
赤ちゃんの時期に見られる「痙攣(けいれん)」や「ひきつけ」といわれる発作。ここではさまざまな原因で起こる赤ちゃんの「痙攣」について、その原因と症状、対処法について解説します。
- 赤ちゃんの痙攣(けいれん)は「熱性けいれん」が多い
- 「熱性けいれん」で多く見られる症状
- 「熱性けいれん」が起きる原因は? 新生児と乳幼児では違う?
- 正しい対処法は? やってはいけないことは?
- 手足がピーンと突っ張る
- 白目をむいて口から泡を吹く
- 手足をバタバタさせる
- 顎がガクガク震える
- 唇や舌がピクピクと規則的に動く
- 違和感のある動作をする
- 瞬きを繰り返す
- 嘔吐
- 無呼吸
- 服を緩め、平らなところに横向きに寝かせる(喉に嘔吐物が詰まるのを避けるため)
- 痙攣の時間を記録しておく(すぐに病院へ行くかどうか判断するため)
- 痙攣の状態を観察する(左右対称に起こっているか、どちらか一方かなどを確認。余裕があれば動画を撮っておく)
- 熱を測る(38度以上なら熱性けいれんの可能性が高い)
- 痙攣が治まったら全身をチェックしておく(熱性けいれん以外の可能性を探るため)
- 大声で呼びかける
- カラダをゆすったり押さえつけたりする
- 舌をかまないようにと口の中にものを入れる
赤ちゃんの痙攣(けいれん)は「熱性けいれん」が多い
痙攣とは、カラダの一部もしくは全身の筋肉が、自分の意思によるものではなく硬直したり、ピクピク・ヒクヒクと細かく収縮する状態のことです。「ひきつけ」は「痙攣」を柔らかくした表現で同じことを指します。
乳幼児の痙攣で多く見られるのが「熱性けいれん」です。生後6ヶ月~6歳頃までに発症すると考えられていますが、3歳までに始まることが圧倒的に多いようです。38℃以上の熱が出ますが、後遺症をもたらすことはほとんどなく、原因が明確な脳炎・脳出血・てんかんとは区別されています。
「熱性けいれん」で多く見られる症状
基本的な症状を一言でいうと、“発熱によって意識がなくなって痙攣する”、いわゆる「ひきつけ」と呼ばれるもので、痙攣によって発熱に気づくことも多いようです。おもな症状としては以下のとおりです。
硬直系の痙攣から細かく収縮する痙攣へ移行したり、痙攣が現れる部位もさまざまです。
なお、生まれてから1週間程度の間に起こる痙攣は「新生児のけいれん」と呼ばれ、脳や神経系が未熟ゆえの特有な症状が見られます。
このように、見た目では痙攣とわかりにくいので、確定診断のためには発作時の脳波検査が必要です。
「熱性けいれん」が起きる原因は? 新生児と乳幼児では違う?
痙攣というと重大な症状に感じてしまいますが、一般的には、大人と比べて子どものほうが痙攣を起こしやすく、痙攣がすべて重大な病気に直結しているわけではありません。
大人の場合は、極端な高熱により意識を失って全身痙攣を起こすことはありますが、普通の風邪ではそこまで高熱になることがないため、ほとんど痙攣につながることはありません。
しかし、子どもは痙攣を起こすのに必要な体温が大人よりも低く、普通の風邪でも熱が上がることで痙攣を起こすことがあります。これが「熱性けいれん」です。
ましてや赤ちゃんは、体内の臓器、脳や神経系が非常に未熟な状態です。小さな原因であっても痙攣を起こす可能性は大人や子どもよりも高くなります。
「新生児けいれん」の発症は、生まれる前や生まれてくるとき、生まれてすぐなど、この時期にかかりやすいさまざまな疾患が原因です。こうした疾患によって脳の神経細胞が異常に興奮し、伝わらなくてもよいところまで信号が伝わってしまい、異常な動きや行動、吐き気などの症状が引き起こされます。
正しい対処法は? やってはいけないことは?
新米パパやママが初めて赤ちゃんの痙攣を目の当たりにしたらパニックに陥ってしまうのも無理はありませんが、まずは落ち着いて赤ちゃんを安静にさせ、痙攣が治まるのを待ちましょう。
正しい対処方法
絶対にやってはいけないこと
ほとんどの痙攣は5分以内に収まりますが、それ以上続いたり、短時間に痙攣を繰り返したり、左右非対称に痙攣(片方だけ痙攣)した場合などは、救急車を呼ぶなどしてすぐに医療機関にかかりましょう。
また、痙攣が収まったとしても自己判断は禁物です。重篤な病気が原因の可能性はないか、原因を調べるためにも医療機関を受診しておきましょう。
いちばん重要なのは、パパ・ママが冷静になることです。事前に痙攣に関する知識や症状を把握し、落ち着いて対処できるようにしておきましょう。