赤ちゃんのマイナンバーカード。メリットや申請方法は?
0歳から作れるマイナンバーカード。「本当に必要?」と考えているパパママに、そのメリットや取得する際の注意点などについて紹介します。
マイナンバーカードの交付率は過半数超え
赤ちゃんから大人まで、日本に住民票のあるわたしたち一人ひとりが持つ個人番号、通称「マイナンバー」。マイナンバー制度は、特定の個人をきちんと識別することによって行政機関の情報を連携させ、さまざまな手続きの効率化・簡略化を進める制度です。
2016年1月からはマイナンバーが記載されたICチップ付きカード「マイナンバーカード」の交付が始まり、2022年11月末日時点では人口に対する交付枚数率が53.9%、申請件数は60%を超えるところまで普及が進んでいます。
マイナンバーカードでできること
とはいえ生まれたばかりの赤ちゃんにマイナンバーカードが必要かどうか、具体的なメリットがイメージしにくいのも確かです。
そこでまずは、マイナンバーカードが赤ちゃんや子育て中のパパママに役立つシーンを紹介しましょう。
1枚で公的な本人確認書類として使える
多くの場合、赤ちゃんの本人確認には健康保険証や母子健康手帳、住民票などから2種類の提出を求められますが、顔写真の入ったマイナンバーカードなら1枚で本人確認が可能。金融機関の口座開設やパスポート取得手続きなどの簡略化に、大いに役立ってくれます。成長にしたがい地域の図書館利用や携帯電話の契約、ライブ会場の入場時など、便利に使えるシーンが増えてくるでしょう。
健康保険証として使える
マイナンバ−カードを健康保険証として利用できる医療機関・薬局では、医療や今までに処方された薬剤の情報を医師や薬剤師と共有できるため、旅先や帰省先などでの急な受診や初めての医療機関を利用したときも安心。医療費が高額になる場合に利用できる「高額療養費制度」も、事前申請なしで自己負担限度額以上の支払いが免除されます。
「マイナポータル」を利用できる
マイナポータルとは政府が運営する無料のオンラインサービスです。マイナンバーカードを利用してログインし、行政機関からのお知らせを受け取ったり、自分自身の個人情報や履歴を確認したり、行政手続きをおこなったりすることができます。
子育て世帯に役立つ機能としては以下のようなものがあります。
◆行政手続きの検索やオンライン申請
児童手当の申請や子ども医療証の発行、保育施設の利用申し込みなど、自分が住んでいる地域の子育てに関する行政サービスの内容や必要書類を検索できるほか、手続きの内容によっては検索結果からそのままオンラインで申請することも可能になっています。
◆医療情報の確認
パパママが代理人設定をすることで、子どもの診療や受け取ったお薬の情報、医療費、検診結果、予防接種の記録などを確認することができます。
確定申告の医療費控除に必要な「医療費通知情報」の自動入力が可能になるなど、便利な機能も。
コンビニなどで住民票の写しなどを取得できる
コンビニエンスストアなどに設置されているマルチコピー機で「行政サービス」を選び、マイナンバーカードをセットして操作するだけで住民票の写しや印鑑登録証明書、各種税証明書などを取得できます。基本的な利用可能時間は毎日6時30分から23時(自治体によって異なります)。役所に行かなくても、また夜間や休日でも利用できるのはうれしい限りです。
子どものマイナンバーカードの作り方
マイナンバーカードは0歳、生まれたての赤ちゃんのときから作ることができます。
新生児の個人番号(マイナンバー)は、出生届が提出され、住民登録がおこなわれる時点で自動的に付与されます。出生届の提出からおおよそ2〜3週間後、自宅に簡易書留で「個人番号通知書」が届きます。通知書にはQRコード付きの「個人番号カード交付申請書」が同封されていて、これがあればマイナンバーカードの申請手続きができます。
いちばん簡単なのは、スマートフォンによる申請です。
- スマホで赤ちゃんの顔写真を撮影(6カ月以内に撮影した正面・無帽・無背景のもの)
- 個人番号カード交付申請書のQRコードをスマホのカメラで読み取り、申請用のWEBサイトにアクセス
- 顔写真とメールアドレス、必要情報などを入力する
これだけで申請は完了。スマホ以外ではパソコンや郵送などでの申請も可能です。
子どものマイナンバーカード受け取り時の注意
申請が無事受け付けられると、1カ月程度で交付通知書が届くので、通知書と必要な書類を持って市区町村の受け取り窓口に出向きます。
この際注意したいのは「15歳未満の子どものマイナンバーカード受け取りには、代理申請した法定代理人(親など)が申請者本人を同伴する必要がある」という点です。
未就学児で申請者本人を連れていくことが難しい場合は親だけでも受け取りが可能ですが、必要な本人確認書類が増えるので事前によく確認しましょう。
また受け取り時には「英大文字と数字の組み合わせによる6〜16けたのパスワード」と「数字4けたの暗証番号」を設定します。あらかじめ考えておくと受け取りがスムーズでしょう。
※「英大文字と数字の組み合わせによる6〜16けたのパスワード」は署名用電子証明書に設定するものですが、15歳未満の方には署名用電子証明書は原則搭載されないため、パスワードの設定は不要となります。
出生届とマイナンバーカードの同時申請なども検討中
ここまで紹介してきたのは2022年12月末日時点のルールですが、政府は新生児の出生届の提出と同時にマイナンバーカードの申請手続きを完了させる案も検討中。さらに子どもは成長にともなって顔つきがすぐに変わるため、現在は記載が義務づけられている顔写真についても、乳幼児は不要とする方針のようです。
逆に言うと、「生まれたばかりの赤ちゃん時代の顔写真入り身分証明書」を作れるのは今のうち、ということになります。
パパママにとってはもちろん、赤ちゃん本人にとっても便利さが広がっていきそうなマイナンバーカード。早めに用意してあげてはいかがでしょうか。