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何もできないわけじゃない! 赤ちゃんの驚くべき能力

生まれたときの赤ちゃんは「ゼロ」の状態だから、何もできないと思っていませんか?じつは、その身体にはすでに成長のためのプログラムが秘められていて、驚くほどのスピードで変化・吸収しています。そんな赤ちゃんの不思議について解説します。

生まれたときから備わっている能力

生まれてから1年ほどの間に、目を見張るほどの変化と成長を遂げる赤ちゃん。生まれたばかりの赤ちゃんを「まっさらな状態」と表現することがよくありますが、本当に「まっさらな」「何もない状態」なのでしょうか?

じつは、赤ちゃんの脳は生まれたときにはすっかり形成されていて、大人の脳とほとんど変わらないぐらいまで発達しているといわれています。脳には、神経細胞同士に情報の受け渡しを行う「シナプス」という器官がありますが、生まれて数か月の間に、このシナプスが急激に増加します。人生でもっとも多くなるのが生後8か月から1歳頃で、大人の約1.5倍になるといいます。驚きですね。

そんな赤ちゃんには特別な能力がいろいろ備わっています。例えば言語。生後半年頃まで、大人には区別が難しいあらゆる言語の音を聴き分ける能力を備えているそう。でも、生後半年を過ぎてくると、この聴き分ける力は失われていくそうです。同じように左右の手足を自由にスムーズに動かす運動機能も備えているのですが、その動きは生後2か月頃には一度ぎこちなくなり、さらに半年ほど経つと左右対称に動かすようになってくるとか。

こうした赤ちゃんの持つ能力は、環境に適応するための脳の「備え」と考えられていて、育っていく環境が定まるにつれて必要のない余分な「備え」を捨てつつ、試行錯誤を繰り返しながら本当に必要な能力を磨いていくのです。