カップフィーディングを試してみませんか? 乳頭混乱対策と災害時の備え
カップフィーディングは授乳方法のひとつ。赤ちゃんが乳頭混乱を起こしている時や災害時に有効とされています。この記事では、カップフィーディングとはどんなものか、始められる時期、実践方法について紹介します。
- カップフィーディングとは?
- カップフィーディングのやりかた
- まとめ
- 赤ちゃんを膝に乗せ、やや縦抱きになるような姿勢をとります。赤ちゃんが泣かずに起きていること(眠くないこと)を確認してください。赤ちゃんを布等で包むと、コップに手が当たるのを防げます。また、ミルクがこぼれてもいいように、赤ちゃんのあごにタオルやガーゼ等をはさむとよいでしょう。
- コップに少なくとも半分以上のミルクが入った状態にします。
- 赤ちゃんの口元にコップを少し傾けながら近づけます。
- 下唇に圧をかけないように気をつけながら,赤ちゃんの口にごく少量が入るようにコップを静かに傾けます。唇に触れると赤ちゃんは自分ですすって飲むので、コップを唇につけたまま、中の液体が唇に触れるよう少しずつ角度を調節しましょう。口の中にミルクを流しこまないようにしてください。
- 必要なら休憩し、赤ちゃんが飲まなくなったらやめます。
カップフィーディングとは?
搾った母乳やミルクを乳児に与える際、哺乳瓶を使わずにコップやスプーンなどを使って授乳する方法のことを「カップフィーディング」といいます。コップでの授乳にあまり馴染みがない方が多いかもしれませんが、カップフィーディングは、産科病棟やNICU(新生児集中治療室)などで「乳頭混乱」の対処として行っているところもあり、新生児のころから行うことができます。
「乳頭混乱」てなに?
「乳頭混乱」とは、哺乳瓶を好み、ママのおっぱいから直接飲むことを嫌がる現象をいいます。母乳とミルクの混合授乳をしていると起きることがありますが、混合授乳の赤ちゃんみんながなるわけではありません。哺乳瓶と母乳を交互に飲むのが難しい赤ちゃんもいれば、母乳と哺乳瓶を併用しても嫌がらない赤ちゃんもいて、乳頭混乱を起こすかどうかは個人差があります。
乳頭混乱を起こす原因については、いまのところ医学的な根拠はなく、哺乳瓶とおっぱいの違いが原因ではないかと考えられています。哺乳瓶から飲むときは、吸い始めからすぐにミルクが出ます。それに対しておっぱいから母乳を飲むときは、吸い始めて数分後に射乳反射が起き、母乳が出ます。おっぱいを吸うにはあごの筋肉や舌の運動が必要なので、楽に飲める哺乳瓶に慣れてしまうとおっぱいを嫌がるのかもしれません。
ほかにも、ミルクの味を気に入っている、哺乳瓶とおっぱいとで感触やにおいが異なることなどが原因になっている場合もあります。
乳頭混乱に悩んでいるときは、カップフィーディングを試してみると改善されるかもしれません。
カップフィーディングは災害時にも活用できる
災害時の避難生活では、哺乳びんや乳首が無かったり、清潔に管理することが難しかったりします。そんなとき、使い捨ての紙コップやスプーンを使えば衛生的にミルクを飲ませることができます。
このように乳頭混乱や災害時に役立つ授乳方法ですが、赤ちゃんの月齢や気分、性格によっては嫌がって飲んでくれない場合もありますので、赤ちゃんの様子を見ながら行うことが大切です。
カップフィーディングのやりかた
コップによる授乳は、与えた量の3割以上をこぼすという報告があるので、多めにミルクを用意しましょう。
コップは縁が薄いものがおすすめです。カップフィーディング用のコップも市販されていて、専用のコップにはメモリが付いているものがほとんどです。メモリ付きのコップと3割以上こぼすという情報を参考にすると、おおよその飲んだ量を確認することができます。
まとめ
カップフィーディングは、赤ちゃんの体勢やコップの傾け方に慣れるまで少し難しいかもしれません。しかし、乳頭混乱を改善しながら赤ちゃんの成長を支援し、母乳やミルクをスムーズに与えるための有効な方法です。さらに、赤ちゃんのうちからカップフィーディングを実践することで、災害時などの緊急時にもミルクを安全に与えることができます。ぜひ、カップフィーディングを試してみてはいかがでしょうか。