乳幼児は注意!実は多い『冬の脱水症』
脱水症といえば、夏の暑い時期の話だと思われがちですが、実は寒い冬も発症のリスクがあると言われています。冬も脱水症にならないよう、注意が必要です。
- 冬なのに『脱水症』?
- 脱水症状のサイン
- 乳幼児の脱水症予防のためにできること
冬なのに『脱水症』?
寒い冬に脱水症というと意外に思うかもしれませんが、冬の時期に脱水症になる原因は、空気の乾燥です。冬は湿度が低く、空気が乾燥しますが、そこへ暖房を使うことで、さらに空気の乾燥が進みます。乾燥した環境では、不感蒸泄(発汗・排泄以外の皮膚や粘膜、呼気から蒸発する水分)が多くなることがわかっており、気付かないうちに体内から水分が奪われているのです。
その上、暑い夏と比べて冬はのどの渇きを感じにくく、積極的に水分補給をしようとする意識も低くなることも、脱水症になりやすい要因となっています。
乳幼児は、体重あたりの不感蒸泄が大人よりも多く、水分量を調整する機能も未熟なため、大人よりも脱水症になりやすく、とくに注意が必要です。
脱水症状のサイン
子どもの脱水症状のサインには、次のようなものがあります。
・泣いているのに涙が出ない
・皮膚、口の中が乾燥している
・おしっこの量が少ない、色が非常に濃い
・体重が減少している など
このようなサインが見られたら、経口補水液などの水分を与えるようにしましょう。経口補水液は、ドラッグストアや調剤薬局などで取り扱っていることが多いです。飲ませるときは、一度にたくさん飲ませるのではなく、少量ずつ与えるのがポイントです。経口補水液を与えても改善しないときは、できるだけ早く病院を受診するようにしてください。
乳幼児の脱水症予防のためにできること
のどの渇きを言葉で伝えることができない乳幼児には、こまめな水分補給を心がける必要があります。
人の体の体重に占める水分量は、成人では約60%ですが、赤ちゃんの場合は70~80%になります。また、子どもは新陳代謝が活発なので、小さな体でも必要とする水分量は多くなります。
子どもの1日に必要な水分量のめやすは、次のとおりです。
■乳児(1歳ころまで):体重1キログラムあたり、約150ml/日
■幼児(1歳以降):体重1キログラムあたり、約100ml/日
■小学生:体重1キログラムあたり、80ml/日
※母乳やミルク、食事から摂取する分も含んだ量です。
上記の量を参考に、水分を接種させるようにしましょう。
また、肌トラブルや感染症予防のためにも室内の湿度は50~60%前後に保つとよいと言われています。水分補給すると同時に、次のような対策もおすすめです。
・加湿器を使う
・洗濯物や濡らしたタオルを室内に干す
・定期的に窓を開け、換気をする
大人でも気が付かない恐れのある冬の脱水症。自分でコントロールできない乳幼児には、特に気をつけてあげたいですね。