おねしょは寒くなるとなぜ増える?
寒くなってくると子どものおねしょが増えて悩んでいる人も多いのでは?寒さとおねしょの関係、冬のおねしょ対策について紹介します。
- じつは奥が深い!? 寒さとおねしょの関係
- 冬のおねしょ対策
じつは奥が深い!? 寒さとおねしょの関係
おねしょは、夜間作られるおしっこの量が、膀胱に溜められるおしっこの量を超えてしまうと起こります。
作られるおしっこの量は「抗利尿ホルモン」の分泌量によって変わります。「抗利尿ホルモン」とは、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンのことで、腎臓の尿細管に作用して水分の再吸収を促すことで尿の量を減少させる働きを担っています。成長に伴い睡眠のリズムが整ってくると、夜間に「抗利尿ホルモン」が多く分泌されるようになり、夜間のおしっこの量が減ります。小さいうちはこの尿を抑制する働きが弱く、かつ膀胱が大人に比べて小さいことが、おねしょの要因です。
寒くなると体を温めようと代謝を上げて血流を増やし、それに伴いおしっこの量も増えます。また寒い時期は汗をかかないことも、おしっこ量の増加につながっています。
膀胱に溜められるおしっこの量は、膀胱の容量と膀胱の筋肉の収縮弛緩力(引き締めて小さくしたり緩めて大きくする機能)によって変わります。膀胱も成長に伴って溜められるおしっこの量が増えていくのですが、寒くなると膀胱の筋肉が縮小し、膀胱に溜められるおしっこの量が減ってしまいます。
寒くなるとおしっこが近くなったりおねしょが増えたりするのは、これらが影響しているからです。
冬のおねしょ対策
作られるおしっこの量も、膀胱に溜められるおしっこの量も、どちらも成長が影響しているため、子ども本人の頑張る気持ちだけでは、おねしょは改善できません。おねしょを改善するには、身体の成長を待ちながら、焦らず、叱らず、起こさず、が大事だといわれています。おねしょの対策について、冬ならではの対策と併せて紹介します。
午後からの水分を控える
朝食や昼食でしっかりと水分をとり、午後から特に夕食後は水分を控えるようにしましょう。
塩分を控える
塩分を多くとるとおしっこの量が増え、のども渇きやすく余分な水分摂取の原因になります。
寝る前にトイレに行く
寝る前にトイレに行く習慣をつけましょう。
就寝中の冷えを防ぐ
寒い時期は、入浴でしっかりと身体を温め、身体が冷える前に腹巻、靴下、ベストなどを着用して、大幹を冷やさないように留意しましょう。就寝前に布団を温めておくのもオススメです。
夜中、無理にトイレに起こさない
「抗利尿ホルモン」は熟睡している間に分泌されるため、強制的に起こすことでホルモンの分泌が抑制されてしまい、おしっこ量の増加につながります。また夜中におしっこをする習慣がついてしまう可能性もあるため、夜はぐっすり眠れるようにしてあげましょう。
おねしょを叱らない
おねしょを叱ると子どもを追い込み悪化するケースもあるそうです。おねしょのメカニズムを理解し、「おねしょは成長の過程で当たり前のこと!」くらいの心持ちでいるのが良いそうです。
おねしょが負担にならない工夫をする
寝る時はオムツをはいたり、防水シーツを活用するのもオススメです。おねしょによる親の負担が減り、イライラや焦りの防止にもつながります。子どもも安心してぐっすり眠れるようになり、おねしょ失敗の心理的負担も減ることで、自然とおねしょを卒業できることもあるようです。
子どもが安心してぐっすり眠れることが、おねしょ対策の要です。過度に気にせず成長を見守りながらサポートしてあげましょう。