「じゃれつき遊び」で子どもの集中力や感性を高めよう!
子ども同士や親子で密着し、全身でじゃれて遊ぶ「じゃれつき遊び」。この遊びが子どもの集中力や感性を高めると注目されています。「じゃれつき遊び」の魅力について紹介します。
- 「じゃれつき遊び」ってなに?
- 「じゃれつき遊び」の効果
- 「じゃれつき遊び」で注意すること
- 家具や家電、窓やガラスなど割れやすいものから離れて遊ぶ
- 眼鏡や髪留めのピン、ファスナー付きの洋服などは着用しない
- おもちゃなど物を持たせない
- 子どもが嫌がっていないか観察しながら遊ぶ
- とくに、目のケガ、頭・お腹・胸・股間の強打に留意して遊ぶ
「じゃれつき遊び」ってなに?
「じゃれつき遊び」は、親子、兄弟、友達などと一緒に全身を使って全力でじゃれ合う昔ながらの遊び。
遊びのバリエーションは、
高い高い、くすぐりっこ、おんぶごっこ、抱っこでグルグル回し、尻相撲、大判のブランケットに子どもを乗せて引きずる電車ごっこ、大人の体によじ登ってひっつくコアラごっこ など、無限にあります。
子どもがふざけて身体にまとわりついてくると大人はつい注意してしまいがちですが、子どもがしかけてくるじゃれつきに大人も全力で応じて一緒に遊ぶことで、子どもに驚きの変化をもたらすそう。
「じゃれつき遊び」の効果
「じゃれつき遊び」は、感情のコントロールや思考、判断、集中、意欲を担う大脳の前頭前野の発達に効果があるといわれています。
感情の制御が未熟な幼児期。そこから小学校低学年~中学年にかけて興奮が先に発達していき、子どもらしい活発な状態に。高学年になってくると抑制の働きが発達し始め、成長とともに感情の興奮と抑制のバランスがとれるようになっていきます。
「じゃれつき遊び」は強い興奮を喚起すると同時に、抑制も一緒に発達させることが脳科学的にわかっています。脳の偏桃体(へんとうたい)にはふざけたり騒いだりしたいという欲求があり、それを抑制しているのが大脳の前頭前野です。思いっきりふざけて楽しい時間を過ごすことで偏桃体が満足し、休んでいた前頭前野が力を発揮して抑制する。これを繰り返すことで、感情をコントロールする力が身についていきます。
「じゃれつき遊び」を毎朝登園後30分間取り入れている栃木県宇都宮市の学校法人さつき幼稚園は、「毎日朝起きてから朝ごはんを食べるまでの5分間でもよいので、おうちで子どもとじゃれつき遊びをしてください。子どもの『心のエンジン』がかかるはずです」と推奨しています。
さつき幼稚園の子どもたちは、「じゃれつき遊び」で思いっきり遊んだあとは興奮がウソのようにおさまり、集中して園の活動に移っていくといいます。同園で過去に2か月間「じゃれつき遊び」をやめたとき、園児たちが無気力になり集中力が低下したことがあったそう。子どもは思いっきりふざけたりハイテンションで騒いだり自分が楽しいことに熱中したりする時間が大切で、高い効果を発揮するのが「じゃれつき遊び」なのです。
「じゃれつき遊び」で注意すること
子どもにとって有益な「じゃれつき遊び」ですが、遊びが激しくなる傾向があるため安全面には十分な配慮が必要です。激しい遊びを突然開始すると、子どもの身体も心も慣れていないので、ケガをしやすく怖がって拒否する可能性もあります。まずはくすぐりっこなどケガにつながりにくい遊びから慣らしていき、子どもの反応に応じて遊びの幅を広げていきましょう。
◆とくに留意するポイント
安全第一で、毎日5分親子で「じゃれつき遊び」を習慣にできるとよいですね。朝のベッドではしゃいだら寝起きの悪い子も元気な一日をスタートできるかもしれません。