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子どもの成長に欠かせない「感動体験」とは?

子どもの成長に欠かせない「感動体験」とは?
「感動体験」という言葉を聞いたことはありますか? 感動で心が動かされる体験を積み重ねることで、生きる力や脳の成長につながると教育の場でも注目されています。感動体験によって期待できる効果についても紹介します。

  • 「感動体験」とは?
  • 「感動体験」がもたらす5つの効果

    「感動体験」とは?

    人やモノ、実社会に直接触れ合い関わっていくなかで、感動して心が動いた体験のことを「感動体験」といいます。じつは幼少期からこの「感動体験」を積み重ねることが、子どもの自己肯定感や自己効力感を高め、生きる力や豊かな人間関係を築いていくための源になるといわれています。

    感動といっても、この世のものとは思えないような絶景や感動のストーリーは必要ありません。小さな子どもたちにとって、この世界は初めての経験と感動であふれています。赤く染まる夕焼け空、砂のザラザラとした質感、公園の草むらで見つけた虫…大人には当たり前になってしまったものでも、小さな子どもたちには新鮮で、その発見に感動して夢中になります。

    昔の子どもたちは、屋外での遊びを通して自然体験や社会体験を積み、家庭では子どもたちも役割を持って生活体験をする機会が多くありました。近年は生活利便性が高くなった一方、子どもたちは室内でテレビやゲームを楽しむ時間が増え、屋外でたくさんの友達と遊んだり、本物の自然や社会のなかでの直接体験の機会が減ってきています。

    つまり、直接体験よりも疑似体験の機会が増えることで、感動や人間関係の希薄化が懸念されているのです。
    感動体験の多くは家の外にあります。身近な自然や出来事に子ども自ら五感で体験することが大切です。子どもが主体的に動き感じることが本当の感動体験につながります。大人はそういった機会創出をサポートし、時には一緒になって楽しんで子どもに共感することが、子どもにとってよりよい感動体験につながると考えられています。

    また、日々の生活体験やお手伝いもよい感動体験に。お手伝いは大人の役に立つことができると実感することで、自己肯定感や自己効力感に影響があるといわれています。雑巾がけをしたり、包丁を使ったり、日常生活で子どもが興味を持ったことに、積極的に取り組ませてあげることを意識しましょう。

    「感動体験」がもたらす5つの効果

    感動体験は5つの効果があるといわれています。

    物事に積極的に取り組める

    感動すると脳内では、快感や感動、やる気をもたらすドーパミンというホルモンが分泌されます。
    子どもは感動体験からチャレンジすることは楽しいことだと感じ、新たなチャレンジの機会に、やり遂げることで得られる感動を求めて、困難を乗り越えながら積極的に取り組んでいけるようになります。

    学力への好影響

    感動は記憶力アップに影響があると考えられています。感動は知的好奇心を向上させ、それにより理解が進み、学業への意欲が増していくという好循環を生み出します。
    また感動体験から深く興味を持ち、「なぜ?」「どうして?」と今まで学習してきた知見をふり絞って試行錯誤する過程で、さまざまな知識が定着します。

    自己肯定感の向上

    自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定的に受け入れることができる能力のことです。子どもは感動体験を通じて、自分の持っている能力や新しい一面を知ることができ、自己肯定感の向上につながるといわれています。自己肯定感が高まることで、自分の長所と短所を理解し受け入れられるようになります。

    自己効力感の向上

    自己効力感とは、自分を信じる力のことをいいます。自己効力感が高いことで「自分なら大丈夫」と前向きな気持ちで行動に移すことができます。感動体験から最後まで何かをやり遂げる経験をすることで自己効力感の向上につながり、自主的主体的な行動をもたらします。

    人とのコミュニケーションを円滑にする

    感動体験のなかには、一人では体験できないものが多くあります。他者とのさまざまな関わりのなか、相手の気持ちを考えることで、自分一人では見えない視点に気づくことができます。相手の視点も尊重して対応できることで人間関係や人とのコミュニケーションを円滑にします。

    子どもが目を輝かせて夢中になっている姿はとても微笑ましく、そんな機会をたくさん作ってあげたいと思っているパパママも多いはず。忙しくて子どもの興味や好奇心に付き合いきれない時もありますが、無理のない範囲で子どもの感動体験のチャンスを作る手助けをしてあげられるとよいですね。大人たちが見守り、時には励ましながら一緒に進んでいくことが、子どもたちの生きる上での大切な土台となっていくのです。