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世界共通!? 子どもはみんな「うんち」が大好き!

世界共通!? 子どもはみんな「うんち」が大好き!
「どうしてうちの子はこんなに四六時中うんちのことばかりいうの?」と困っているパパママも多いと思います。大人にはちょっと理解しがたい子どもの「うんち」への過剰な反応。そのナゾや対応について学術的な観点も含めて紹介していきます。

  • 子どものうんち好きは世界共通
  • うんちは自分の子ども!?
  • 子どものうんちにはポジティブに共感!

    子どものうんち好きは世界共通

    2歳ぐらいの頃から子どもの口からよく聞く「うんち」という言葉。この言葉を口にする時、子どもは満面の笑みを浮かべながら眉を潜ませる大人を横目に、時にはしつこいぐらいに連呼したりします。どうやら「うんち」は子どもたちにとって特別な言葉のようです。

    確かにうんちをテーマにした本にはロングセラーやベストセラーが多くあります。五味太郎さんの「みんなうんち」(福音館書店)はパパママも小さい頃に読んだ記憶があるかも知れません。2017年に発売された「うんこドリル」シリーズは子どもたちが夢中になって楽しく勉強できると、発売2カ月で270万部の大ヒット作となりました。さらに、ヴェルナー・ホルツヴァルトさん作の「うんちしたのはだれよ!」は世界中で読まれている名作絵本。「うんち人気」は日本だけのことではなく、どうやら世界中の子どもたちが「うんち」好きなようです。

    うんちは自分の子ども!?

    ところで、なぜ子どもたちはこれほどにも「うんち」に興味を持つのでしょうか。

    赤ちゃんは2歳ぐらいから肛門括約筋が発達してきて、自力での排泄が少しずつできるようになってきます。精神分析学者のジークムント・フロイトによる心理性的発達理論では、1歳~3歳頃は肛門に快感を得る「肛門期」という発達段階にいるとされていて、この発達段階にいる子どもたちは、うんちをすると気持ちがよいと感じるのだそう。

    また、この時期はちょうどトイレトレーニングの時期と重なり、排泄に伴うパパママと子どものコミュニケーションが密になります。うんちをした後におむつを交換してもらったり、パンツをはかせてもらったり。自分が「うんち!」というと、パパもママも周りの大人は必ず振り向いてくれ、子どもにとってはまさに魔法の言葉。うんちは身体から出る気持ちのよいもので、さらに出すことで褒めてもらえるとてもよい存在なのです。

    ちなみに前述したフロイトが1909年に友人の息子を分析した論文には、5歳になる友人の息子はうんちを自分の子どもだと思ったという記述があります。どうやら子どもにとってのうんちは自分の子どものようなもの、ゆえに愛着を感じるのでしょう。
    こういった理由から、子どもはうんちが好きなのです。

    とある幼稚園で園児にうんちの絵を描いてもらうと、およそ4人に1人がうんちに目や鼻などを加えて顔を描いていたそうです。さらにうんちに名前や愛称をつけるなど、「無意識的にうんちに対して特別な感情を持っている」と裏付ける結果になりました。

    子どものうんちにはポジティブに共感!

    肛門期の子どもはトイレトレーニングを経て、排泄のルールを覚えながら自分の生理機能をコントロールできる自律性と自信が身についてきます。排泄を上手にできると溜めたものを出す快感を味わうとともに、失敗することへの不安や失敗した時には恥ずかしい気持ちも育みます。

    この時期に大切なのは「うんち」にネガティブなイメージがつかないようにすること。うんちが出たら「いいうんちが出たね!」と一緒に喜び、「汚い、臭い」などとネガティブな反応をしないようにしましょう。

    いつでもどこでも「うんち、うんち」と場所も時間もお構いなしに連呼されるのは困りものですが、これは順調に成長している証し。この時期だけのことと割り切って、子どもたちの「うんち」に対する特別な愛着に寄り添いながらポジティブに共感してあげてください。