知っておきたい!試行が進む「こども誰でも通園制度」について
親の就労要件を問わず保育を利用できる「こども誰でも通園制度(仮称)」。創設に向けた試行が進められているこの制度について紹介します。
- 就労を問わず子どもを預けられる新制度
- 「こども誰でも通園制度」の概要案
- 現在進行中のモデル事業や今後の発表にも注目を
就労を問わず子どもを預けられる新制度
「こども誰でも通園制度(仮称・以下略)」は、2023年6月13日に政府が発表した異次元の少子化対策「こども未来戦略方針」で示されたプラン。保護者が働いているかどうかにかかわらず、すべての子どもが時間単位などで保育施設を利用できる新たな制度です。
「こども誰でも通園制度」のおもな意義や目的は、すべての子育て家庭への支援を進めるにあたり、在宅で子育てする世帯の子どもが、専門的な知識や理解をもつ人がいる環境で同年代と触れ合い、さまざまな経験をする機会を得ること。また、専業主婦/主夫など育児を担う保護者の孤立感や不安感を軽減することで「保護者とともに子どもの育ちを支えていく制度」となることが期待されています。
国は現在、専門家や有識者なども交え、制度の本格的な実施に向けた検討や試行を進めています。
「こども誰でも通園制度」の概要案
2023年12月25日にこども家庭庁が公開した「こども誰でも通園制度」に関する概要案を、いくつかの項目に分けて紹介します。
制度の対象者
基本的な想定は生後6カ月から満3歳未満の未就園の子ども(居住する市区町村が認定する仕組みを設ける)
実施施設
・保育所
・認定こども園
・小規模保育事業
・家庭的保育事業
・幼稚園
・地域子育て支援拠点事業 など
利用時間
子ども1人あたり月10時間まで
・1日中利用するとしたら月1回、1日2時間なら毎週1回は利用できるイメージ
・上限を超える利用に関しては「一時預かり」を使うなど、現在1269の自治体で実施されている「一時預かり事業」と組み合わせての利用も可能とする方向
利用料金
現行の「一時預かり事業」と同水準を想定
※自治体や事業所により異なる。
利用イメージ
■定期利用:利用する園、月、曜日や時間を固定し、定期的に利用する。
■自由利用:利用する園、月、曜日や時間を固定せず、柔軟に利用する。
・いくつかの事業所を自由利用しながら子どもに合う事業所を見つけ、その後定期利用する、定期利用する事業所を2〜3カ所決めるなど、柔軟な利用方法を可能とする方向
子どもへの配慮
■情報の把握と共有:アレルギーや病歴など子どもの安全確保に関する情報について事前に把握し共有するシステムを構築する。
■親子通園の導入:慣れるまでに時間がかかる子どもへの対応として親子通園を可能にする。
■食事:離乳食の必要も考慮し、提供を必須とはせず持参方式も認める。
現在進行中のモデル事業や今後の発表にも注目を
「こども誰でも通園制度」の本格導入に向け、現在北海道から九州まで31の自治体、50の施設で試験的なモデル事業が進められています。自身が居住する自治体でモデル事業がおこなわれているかどうかは各自治体の公式サイトなどで確認してください。
以下の自治体では時間や定員、料金などについての詳細が公表されているのでチェックしてみてください。
宮城県仙台市
東京都文京区
愛知県大府市
大阪府高槻市
また今回紹介した「こども誰でも通園制度」に関する概要案はすべて検討・試行段階であり、導入までに内容が変更・新設されることも充分考えられます。今後の動向にも注目しておきましょう。
<参考>
こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方に関する検討会|こども家庭庁