バランスのとり方が難しい!? きょうだいの子育て
下の子が生まれると上の子が急に甘えてきたり、きょうだいげんかが勃発したり、親としては不公平にならないように子育てしていきたいものの、接し方のバランスが悩ましいところ。ここではきょうだいの子育てについて紹介していきます。
- 上の子への接し方のコツ
- きょうだいげんかは成長に必要なプロセス
- きょうだいがいるメリット
上の子への接し方のコツ
子どもはパパママが見てくれていると安心するし、やる気が出てうれしいものです。けれど下の子が生まれると、下の子の授乳やおむつ替えなどで忙しくなってしまい、上の子に目を配る時間が少なくなりがち。パパママが取られてしまうと感じて赤ちゃん返りすることはよくあります。ときには下の子に手が出てしまったり、情緒不安定になってしまったりすることも。
これまでは自分がパパママを独り占めしていたのに、ある日突然ほかの子どもがやってきたのですから、面白くないのは当然の気持ちです。そんなときは短い時間でもよいので、上の子との時間をつくるようにしましょう。
例えば、下の子が寝ている間に一緒にお風呂に入ったり、絵本を読んだり、話を聞いてあげたり、上の子が独り占めできる時間をつくることが大事です。このとき「明日も〇〇ちゃんとこういう時間を持とうね」と約束するとよいでしょう。そして、「○○ちゃんが赤ちゃんだったときも同じようにお世話していたけど、すっかり大きくなってお兄ちゃん・お姉ちゃんになったね」と上の子の成長を喜び、「赤ちゃんはまだお世話が必要だから、一緒に手伝ってくれるとうれしいな」と、赤ちゃんのお世話をお願いしてみましょう。
上の子の甘えたい気持ちを受け止めつつ、上の子の誇りを育てる作戦です。上の子がお兄ちゃん・お姉ちゃんであることに誇りを持ち始めることで、嫉妬ではない下の子との関係が徐々に形づくられていくようになります。
きょうだいげんかは成長に必要なプロセス
きょうだいの子育てで避けて通れないのがきょうだいげんか。けんか自体は褒めるべきことではありませんが、学びを得ることも。今の時代は昔のように友達との取っ組み合いのけんかもできないので、きょうだいげんかこそ、貴重な体験とも言えます。
きょうだいげんかがはじまったときは、できる限り親は仲裁に入らないこと。けんかして泣いて寄って来たときは手や背中をさすってあげたり、抱っこしたりして「そっかー、嫌だったね」と話を聞いて子どもの感情を受け取ったらまた送り出します。そして、子ども同士で解決するのを見守るのです。
親が仲裁に入ってしまうとその後も親の仲裁を期待して、自分たちで解決する能力が育ちません。例えばおもちゃの取り合いなら、順番を守ること、人と一緒に遊ぶことのルールを早いうちから覚えることができます。多少のけんかはこれから社会に出ていくための解決方法を学ぶ、よい機会なのです。
見守りのコツは、まだ小さいうちは自分の気持ちを上手に表現することができないので「悲しいんだね」「悔しかったんだ」と、親が話を聞いて子どもの気持ちを代弁してあげること。そうすることで子ども自身の表現のボキャブラリーが広がり、気持ちと言葉をつなげる助けになります。
きょうだいがいるメリット
きょうだいがいると早い時期から「社会」を経験することになります。子どもは子どもの社会のなかで成長していくものですが、自分の思いどおりに進まなかったり、臨機応変な対応が必要になることで、協調性や忍耐力を小さいうちから培うことができるのです。
また、きょうだいがいればいつでもどこでも子ども同士の遊びができるのもメリットのひとつ。さらに、きょうだいで年齢差があれば上下関係も学ぶことができます。いずれは必要になる上下関係の土台が早い時期から習得できるのはきょうだいならでは。
きょうだいの関係は他人との関係とは違うものですが、幼稚園や小学校でみんなと仲よく過ごせる土台づくりに役立つことは間違いないでしょう。