赤ちゃんの言葉を育てる「マザリーズ」とは?
高いトーンの声で赤ちゃんに語りかける話し方を「マザリーズ」といいます。赤ちゃんの関心をひき、言葉を身につけるうえで効果があるといわれているマザリーズについて紹介します。
- マザリーズとは?
- マザリーズの効果
マザリーズとは?
赤ちゃんに話しかけるとき、「かわいいね~」「おりこうさんですね~」などと、高めのトーンで声をかけることはありませんか?
新生児から2歳ごろまでの乳幼児を対象とした独特の口調は「マザリーズ」とよばれていて、日本だけではなく世界各国また老若男女問わず耳にすることから、人類共通のメカニズムがあると考えられています。
マザリーズは、声のトーンが高く、ゆっくりとしたテンポの、抑揚が大きい話し方で、普通に話しかけるよりも赤ちゃんにとって聞き取りやすく関心をひきます。赤ちゃんはまわりから聞こえる言葉や身近な人からの話しかけによって、その音の特徴や意味を自分で覚えて言語を獲得していきます。マザリーズは、赤ちゃんの言語習得を助ける役割を担っているのです。
マザリーズの効果
マザリーズは以下のような効果があると考えられています。
赤ちゃんの関心をひく
高いトーンの声は赤ちゃんにとって聞き取りやすく、普通の話し方より言葉への関心を持続することが今までの研究で実証されています。また心地よい声は赤ちゃんに安心感を与えることができます。
言葉が聞き取りやすくマネしやすくなる
ゆっくりと抑揚のある話し方は音楽的な要素をもち、赤ちゃんにとってマネしやすい言葉になります。
言葉を習得しやすい
日々の生活のなかで、少ない単語や短い文章をマザリーズで繰り返し話しかけることで、単語や文法の理解につながるそう。赤ちゃんの名前を何回も呼びかけたり、赤ちゃんの反応に合わせて相槌をうったり、話しかけの内容に応じて声の高さや抑揚を変えてみたりといろいろなバリエーションで話しかけてみましょう。
赤ちゃんとの絆を強くする
赤ちゃんと視線を合わせて優しく話しかけることで情緒的な絆と愛着が育まれます。マザリーズの話しかけで赤ちゃんの反応が大きくなり、母親も刺激を受けることで、親子のコミュニケーションの活性化と愛着形成にも関わっているといわれています。
母親のメンタルヘルスケアへの期待
産後うつの母親はマザリーズを話さず、平坦な口調になることが確認されています。マザリーズの脳への影響を解明することで、母親の産後うつの診断技術向上やメンタルヘルスケアにつながることが期待されています。
じつは、マザリーズを意識しなくても本能的にこのような口調で話しかけていたママパパも多いのではないでしょうか。これからはマザリーズの効果を少し意識して、赤ちゃんの反応を見ながらいっぱい話しかけてあげてみてはいかがでしょうか。