妊娠中に注意が必要な食材・食品は?
妊娠中の食事はお腹の赤ちゃんへの影響が大きいため、何を食べてOKなのか迷うもの。とくに魚類は、食べる量に気をつけないといけないものがあります。摂取の目安を把握して、バランスをよい食生活を心掛けましょう。
- 魚は「水銀」影響に配慮して、量や回数に気をつける
- 「リステリア中毒」の原因になりやすい食品は十分に加熱して
- 塩分の摂り過ぎはむくみや高血圧の原因に
- 妊婦にカフェインは本当にNG?
- キダイ
- マカジキ
- ユメカサゴ
- ミナミマグロ(インドマグロ)
- ヨシキリザメ
- イシイルカ
- クロムツ
- キンメダイ
- ツチクジラ
- メカジキ
- クロマグロ(本マグロ)
- メバチ(メバチマグロ)
- エッチュウバイガイ
- マッコウクジラ
- ナチュラルチーズ(加熱殺菌していないもの)
- 肉や魚のパテ
- 生ハム
- スモークサーモン
魚は「水銀」影響に配慮して、量や回数に気をつける
妊娠中の食べ物・飲み物は母体にもお腹の赤ちゃんにも大きな影響を与えます。栄養バランスを心掛けるのはもちろんですが、妊娠中は避けたほうがよい食べ物や逆に積極的に摂りたい食べ物があります。
まず、気をつけたいのが魚類です。
魚は良質なたんぱく質で、女性に不足がちなカルシウムを多く含みます。また魚の油に含まれるDHA、EPAは血液をサラサラにし、アレルギー軽減効果を期待できるので、妊娠中のバランスのよい食事には欠かせないものです。
ただし、調理方法や食べる量には注意が必要になります。
魚は小さい魚が大きい魚に食べられて、さらにまた大きな魚に食べられる食物連鎖によって、自然界のなかにある水銀が取り込まれていきます。そのため妊婦が魚をある一定以上食べると、お腹の中の赤ちゃんに影響を与える可能性があることがわかっています。
お腹の中の赤ちゃんは取り込まれた水銀を外に出すことはできないので、妊娠中は食べる量に注意が必要とされています。厚生労働省では、赤ちゃんの水銀影響を考慮して、魚の摂取量を以下のように指導しています。
1回80gを週2回までとしたい魚
1回80gを週1回までとしたい魚
なお、生魚は、食中毒を起こすリスクがあるので、なるべく火を通すようにしましょう。
「リステリア中毒」の原因になりやすい食品は十分に加熱して
リステリア菌は、食品を介して感染する食中毒菌です。他の一般的な食中毒菌と同様に加熱により死滅しますが、4℃以下の環境や12%食塩濃度下でも増殖する点が特徴といわれています。リステリアに感染して重症化することは稀とされていますが、妊婦は感染しやすいので注意が必要です。リステリア食中毒のおもな原因となる食品は以下のとおりです。
これらの食品を食べる際は、冷蔵庫を過信せずに賞味期限を守って、食べる前には十分加熱しましょう。
塩分の摂り過ぎはむくみや高血圧の原因に
成人女性の1日当たりの食塩摂取目標量は7.0gですが、実際の平均摂取量は9.2gなので、日本の女性は塩分の過剰摂取傾向にあるようです。とくに妊娠中の塩分摂取は妊娠高血圧症候群の原因にもなるので、さらに塩分を控えることを心がけましょう。とくにインスタント食品や加工食品には嗜好性を高めるために塩分が多く使われていることが多いようなので、栄養表示を見ながら選択しましょう。
妊婦にカフェインは本当にNG?
「妊婦はカフェインNG」というのが定説ですが、厚生労働省のリーフレットでは、「1日1~2杯ぐらいなら問題ない」としています。
ただし、カフェインは鉄の吸収を阻害するので、カフェインを含むドリンクを飲む場合は食事に影響しない時間帯がよいそうです。「コーヒーを飲まないと落ち着かない」というような場合以外は、ルイボスティーやハーブティーなどカフェインレスの飲み物に置き換えられると、より安心ですね。
妊娠中はつわりの時期だと、食べられるものが限られてきますが、できる限り栄養バランスに心掛けて、ママにもお腹の赤ちゃんにも栄養になるものを食べましょう。
<参考>
お魚について知っておいてほしいこと[PDF形式 3,606KB](厚生労働省サイト)
ママのための食事BOOK[PDF形式 3,406KB](厚生労働省サイト)