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命を守る「おかしもち」ってなに? 家庭でできる防災教育の第一歩


「おかしもち」とは、子どもが災害時に安全に避難するための合言葉。家庭でできる防災教育を紹介します。

  • 「おかしもち」ってなに?
  • 地域によって違う?「おかしも」や「おはしも」
  • なぜ「おかしもち」が大切なの?

    「おかしもち」ってなに?

    地震や火災など、いつ起こるかわからない災害。小さな子どもたちにも「いざという時の行動」を知っておいてもらうことは、とても大切です。そんなときに役立つのが、避難時の行動を覚えやすくまとめた合言葉、「おかしもち」です。

    「おかしもち」とは、次の言葉の頭文字をとったものです。

    お:おさない

    災害時には真っ先に逃げたくなるものですが、周りのお友だちや先生を押してしまうと、自分や周りの人がケガをしてしまう危険性があります。「はやくにげたい!」と思うかもしれませんが、お友だちや先生を押さないで、順番を守って逃げるように伝えましょう。

    か:かけない

    急いで逃げようとして走ると、転んでケガをすることがあります。特に地震の際は、揺れがおさまってから避難することが大切です。自分だけ先に動くのではなく、みんなで協力して行動することの大切さも伝えましょう。

    し:しゃべらない

    こわいときやびっくりしたときは、お友だちとおしゃべりしたくなることもあります。しかし、避難時におしゃべりをしていると、先生の指示が聞こえなくなってしまいます。また、火災時には話すことで煙を吸い込みやすくなり、苦しくなってしまうので、おしゃべりすることは我慢するよう伝えましょう。

    も:もどらない

    避難した後、「忘れ物を取りに行きたい」と思うことがあるかもしれませんが、元いた場所に戻るのはとても危険です。部屋の中は、火が出たり、壊れたりしていて、とても危ないので、戻らないように伝えましょう。

    ち:ちかづかない

    地震や火災が起きたときに、子どもはどこが危険かわからずに近づいてしまうことがあります。例えば、ガラスが割れているところ、コンロやストーブのそば、揺れて倒れそうなものの近くには、ぜったいに近づかないようにすること、わからないときは、先生や大人の人に聞いてね、などと伝えましょう。

    「おかしもち」は、子どもたちが興味を示しやすく、覚えやすい形にして、多くの保育園や学校で防災教育に活用されています。

    地域によって違う?「おかしも」や「おはしも」

    この合言葉は、1995年の阪神・淡路大震災の後、消防庁が小学校低学年を対象に作成したのがはじまりと言われていて、当初は「おはし(押さない・走らない・しゃべらない)」でした。時代が進むにつれて「も:もどらない」 「ち:ちかづかない」といった要素が付け足され、発展しています。

    また、合言葉は全国共通というわけではなく、地域や教育現場によって、言い回しに違いがあります。
    関東圏では、「おかしも」(押さない・駆けない・しゃべらない・戻らない)が主流のようです。
    一方、西日本では「おはしも」(押さない・走らない・しゃべらない・戻らない)という呼び方がよく使われているようです。
    それぞれ表現は異なっても共通しているのは「子どもの命を守る行動を、わかりやすく伝えること」。その思いが込められています。

    なぜ「おかしもち」が大切なの?

    災害時はとっさの判断が難しく、パニックになりやすいものです。しかし、 「おかしもち」のようにわかりやすい言葉でルールを覚えておくことで、混乱を防ぎ、落ち着いて行動する助けとなります。
    また、集団で避難する場面では、自分だけでなく周りの安全にも配慮した行動が求められます。「おかしもち」はその基本を教えてくれる合言葉です。
    命を守るための大切なルール「おかしもち」をぜひ日常の会話に取り入れてみてください。家庭でも繰り返し伝えていくことで、子どもたちの記憶に残り、いざというときに落ち着いて行動できる力が育まれるでしょう。