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子どもの「お口ポカン」、実は見過ごせない健康サイン?


お子さんの口がいつもポカンと開いている、ということはありませんか? 慢性的に続く場合、「口唇閉鎖不全症」という疾患が隠れているかもしれません。お口ポカンの原因や体への影響、家庭でできる予防・改善方法などを紹介します。

  • 「お口ポカン(口唇閉鎖不全症)」とは?
  • 口唇閉鎖不全症のリスク
  • 口唇閉鎖不全症のチェック方法
  • 予防・改善のためにできること

    「お口ポカン(口唇閉鎖不全症)」とは?

    「お口ポカン」とは、安静時や睡眠時に口がポカンと開いてしまっている状態のことです。たまに開いている程度であれば心配いりませんが、常に口が開いている状態が続く場合は「口唇閉鎖不全症」の可能性があります。

    「口唇閉鎖不全症」とは、食事や会話をしていないときでも口が開いてしまう状態のことを指し、主な原因は唇を閉じる力と舌の力が弱いこととされています。
    唇を閉じる力と舌の力が弱い原因はいくつか考えられますが、昔に比べて柔らかい食事が多くなっていること、口笛を吹いたり風車を回したりといった口を使う遊びが減っていること、SNSなどの文字を使ったコミュニケーションが発達し会話が減っていることなどが原因につながっているのではと考えられています。
    また、近年のマスク生活によって、マスクの中で常に口を開けて口呼吸をし、口周りや舌の筋力が低下している子どもたちが増えていることも指摘されています。
    そのほか、鼻のトラブル(アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症など)が原因で口呼吸になっているケースもあります。

    実は3人に1人?見過ごされがちな「お口ポカン」

    「お口ポカン」は、決して珍しい状態ではありません。
    2021年に新潟大学などの研究グループが行った全国調査(3~12歳の子ども3,399人対象)では、日本の子どもの約30.7%が日常的に口がぽかんと開いた状態にあることが分かりました。
    (出典:子どもの“お口ぽかん”の有病率を明らかに -全国疫学調査からみえた現代の新たな疾病-|新潟大学Webサイト
    これは、約3人に1人にあたります。

    一方、株式会社ロッテの調査では、「日常的に口がぽかんと開いている状態が病気の可能性があることを知っていたか」という質問に対し、70%以上の保護者が「知らなかった」「聞いたことはあるが、病気の可能性があることは知らなかった」と回答しています。

    (出典:株式会社ロッテ「子どものお口ぽかんは疾病の可能性。70%以上の親が知らないお口のリスクを専門家が指摘。むし歯・歯周病・口臭や学習能力の低下につながる可能性がある「お口ぽかん」について調査しました。」

    「よくあること」と見過ごされ、健康への影響があまり知られていないのが「お口ポカン」の現状です。正しい知識を身につけ、そのリスクや対策を知っておくことが大切です。

    口唇閉鎖不全症のリスク

    口唇閉鎖不全症によって口呼吸が続くと、次のような影響が現れる可能性があります。
    ●口の中が乾燥し、むし歯・歯周病・口臭の原因になる
    ●ウイルスや細菌が侵入しやすくなり、風邪やインフルエンザにかかりやすくなる
    ●歯並びや噛み合わせに影響し、前歯が噛み合わない・前歯が出るなどのリスクが高まる
    ●いびきが出やすくなる など

    口唇閉鎖不全症のチェック方法

    お子さんに次のような様子が見られないかチェックしてみましょう。当てはまるものが多い場合は、口唇閉鎖不全症の傾向があるかもしれません。
    □1分以上、口を閉じたままにできない
    □口を開けたまま寝る
    □いびきをかく
    □唇が乾いていることが多い
    □食事のときに口を開けたままクチャクチャと音を立てて食べる
    □食べるのが遅い 
    □硬いものを食べたがらない
    □言葉が聞き取りにくい(特にパ・タ・カ・ラ・サ行)
    □口笛が吹けない
    □ローソクの火が吹き消せない
    □鼻づまりがある

    歯科医院によっては、口唇閉鎖力検査や、舌圧検査などを行っており、お口の機能を測定することも可能です。

    予防・改善のためにできること

    ■フーセンガム・シャボン玉遊び

    フーセンガムを膨らませる動作は、唇・舌・頬など口周り全体の筋肉をバランスよく使います。そのため、フーセンガムは口腔周囲筋の強化に効果的。遊び感覚で取り組めるため、無理なく楽しく継続できる点も魅力です。
    また、シャボン玉や口笛、風車を「ふーっ」と吹いて回す遊びも、自然な呼吸と口の動きを促し、口周りの筋力トレーニングにつながります。

    ■あいうべ体操

    「あいうべ体操」は福岡市みらいクリニックの今井一彰先生が考案したもので、「あー、いー、うー」と大きく口を動かし、最後に「べー」と舌を思い切り出す体操です。
    「あー、いー、うー、べー」を1セットとして、1日30セットを目安に毎日続けます。1度に30セットではなく、数回に分けて行っても問題ありません。口と舌を積極的に動かすことで口呼吸から鼻呼吸への改善を促します。

    ■「お口を閉じよう」の声かけ

    口が開いているときは、「お口をぴったんこできるかな?」「お口をきちんと閉じようね」と優しく声をかけてあげましょう。

    ■鼻のトラブルの場合

    もし口呼吸の原因がお子さんの鼻づまりやアレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症などにある場合は、耳鼻咽喉科で適切な治療を受けることが大切です。慢性的な鼻づまりを放置すると本人も苦しいですし、せっかく口周りを鍛えても鼻呼吸が難しい状態では改善が進みにくくなってしまいます。必要に応じて耳鼻咽喉科に相談してみましょう。

    健康な鼻呼吸の習慣は、歯並びや体の発育、将来の健康につながる大事なポイントです。お子さんの口がいつも開いているかな?と感じたら、ぜひ早めにケアを始めてみてください。