産後のお悩み「尿もれ」はなぜ起こる?
産後、咳やくしゃみをした時や重い物を持ち上げた時に尿もれしてしまい、人知れず悩むママも多いようです。産後の尿もれの原因や対策について解説します!
- 産後に多いのは「腹圧性尿失禁」
- 「腹圧性尿失禁」の原因は膀胱圧迫と骨盤底筋のダメージ
- 産後の尿失禁のほとんどは一過性のもの
- ガードルやコルセットは子宮が元の位置に戻ってから
- 骨盤底筋を鍛えるトレーニングが有効
- 仰向けに寝て、足を少し開いて膝を立てます。
- 5~10秒かけて、お尻に力を入れて肛門を締めながら、膣と尿道も締めます。
- 息を吐いて緩めます(30~50秒)。これを1日数回に分けて5セット以上行います。
産後に多いのは「腹圧性尿失禁」
産後の尿もれには、「切迫性尿失禁」と「腹圧性尿失禁」があります。
「切迫性尿失禁」は、トイレに行こうと思ったら間に合わず失禁してしまう状態のことで、排尿をコントロールしている神経に異常をきたしている場合があります。
もう一つは、くしゃみや咳をした時にお腹に圧力がかかって失禁してしまう「腹圧性尿失禁」です。産後はどちらからという「腹圧性尿失禁」であることが多いようです。
「腹圧性尿失禁」の原因は膀胱圧迫と骨盤底筋のダメージ
産後の「腹圧性尿失禁」の原因は、以下のように大きく2つ考えられます。
子宮による膀胱の圧迫
妊娠中、子宮が大きくなって膀胱を圧迫して尿道括約筋が弱くなることで尿もれしやすくなりますが、産後も子宮の大きさがすぐには戻らないので、膀胱の圧迫が続いて尿もれも起きやすくなります。
骨盤底筋のダメージ
「骨盤底筋」とは、骨盤の底にあり、恥骨、坐骨、尾骨についている筋肉の総称で、膀胱や子宮、直腸を支えています。
そもそも骨盤底筋は、妊娠中のホルモン変化によって緩みやすくなっているのですが、大きくなった子宮が骨盤底筋を圧迫する、赤ちゃんが産道を通る時に骨盤底筋がダメージを受けるなどが原因となって、膀胱を支えている骨盤底筋の筋肉や尿道括約筋が弱くなることで尿もれが起こります。
産後の尿失禁のほとんどは一過性のもの
尿もれをどうにかしたいと産後まもない時期の無理は禁物です。個人差はありますが、時間とともに子宮の大きさや骨盤底筋も元の状態に戻り、尿もれも改善していきます。
その間、できるだけゆっくり休み、重い物を持つのは避けましょう。重い物など持つといきんでさらに骨盤底筋を傷つけることになってしまい、尿もれが続く原因になります。
産後は無理をせず、安静に過ごすようにしましょう。
なお、産後3~4か月たっても尿もれが改善しない場合は泌尿器科などの受診を考えましょう。
ガードルやコルセットは子宮が元の位置に戻ってから
産後に骨盤調整や体形戻しのために産後のリフォームガードルを使う人も多いと思いますが、産後1ヵ月くらいはまだ子宮が大きいので、ガードルなどで締め付けてしまうと子宮や膀胱の位置を下げてしまい、尿もれが悪化してしまうこともあります。
医師に子宮の位置が戻っていることを確認してもらってから使用するようにしましょう。
骨盤底筋を鍛えるトレーニングが有効
体が回復してきたら、以下のような骨盤底筋を鍛えるトレーニングも尿もれには有効です。
力まないことがポイントです。毎日続けると2~3か月後に効果が現れるようなので、根気強く続けてください。
産後の尿もれは誰にでも起こりうることです。骨盤底筋のダメージを回復させることで、尿もれは改善されるので、産後はゆっくり体を休めるようにしましょう。