地域で違う?七五三の風習
福岡県の「ひもとき」新潟県十日町の「七ツ詣り」など、地域によって違う風習って?
地域ごとでの風習にも様々なものがあるようです。
例えば鹿児島には、子どもの無病息災を祈る薩摩藩時代からの伝統行事で、1月7日に「七草祝い」という風習があります。数え年で7つになった子どもは着物や袴で着飾り、七草祝の祈願を神社で受け、7軒の家を廻って七草粥をもらうという行事があるそうです。古くからあるこの行事と、そのあとに広まった七五三を一緒に行うと捉えて、鹿児島では女の子だけではなく、男の子も七歳で七五三を行うことが多いのだそうです。
変わったところでは、福岡県で4歳から5歳で「ひもとき」、7歳の男の子は「へこかき」、女の子は「ゆもじかき」という行事を行う地区があるようです。いずれもふんどしや湯文字といった成人仕様の下着を初めて身につけるという儀式だそうです。
七五三のタイミングで、その地域独自の神事を行う地域もあるようです。
大阪府にある辛國神社では、「茅(ち)の輪くぐり」という儀式があり、これは境内にある茅(かや)で作った大きな茅の輪をくぐり、子どもの厄除けと健やかな成長を願います。
新潟県十日町の「七ツ詣り」は、5月8日に数え年7歳(満6歳)に達した男子が初登山に挑み、参拝を行う珍しい伝統行事です。この伝統行事は、昔から行われている松苧神社の春の祭礼で、無事に参拝し、神主さんからお祓いを受けた男の子の家族親戚で神社の側で小宴会を開いたり、おもちゃを買ってもらったりする楽しい一面もあるそうです。
また、お祝い方法も様々です。千葉や茨城では、お祝いの宴をホテルで披露宴のようにお色直しやキャンドルサービスも実施して盛大に行うことも多く、他方で、関西ではご祈祷ではなく単なる参拝のみと普段と変わらないお参りのみにすることもあるようです。
ひとことで七五三と言っても、風習やお祝いの仕方は千差万別です。一度、自分の地域の神社や親類など詳しそうな人に尋ねてみると新しい発見があるかもしれませんし、失敗もありません。もし、父母の出身地が違うのであれば、父母どちらの風習でお祝いするのか、話し合ったりすることも素敵なことですね。
<参考>
鹿児島 照国神社の七草参り(外部サイト)
大阪 辛國神社(外部サイト)
新潟県十日町「七ツ詣り」(外部サイト)