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ちょい抱きでもOK。スキンシップの癒やし効果

ちょい抱きでもOK。スキンシップの癒やし効果
互いの肌と肌が触れ合う「スキンシップ」。 「露出した脳」とも言われる皮膚の触れ合いから分泌されるオキシトシンは、子どもの心の成長に欠かせないだけではなく、パパママにとっても癒やしとなるもの。ここでは子どもとのスキンシップ効果について解説します。

  • 肌の触れ合いがもたらす効果とは
  • とくに「抱っこ」と「おんぶ」は積極的に!
  • 夕方以降の「ちょっと抱き」で効果UP

    肌の触れ合いがもたらす効果とは

    赤ちゃんにとって最初のスキンシップは「抱っこ」。スキンシップとは言ってもまだ体温の保持が主な役割で、いわゆる心を育むスキンシップは赤ちゃんがもう少し成長してから。とはいえスキンシップを意識するのはもっと後でもよいというわけではありません。

    少し難しい話になりますが、皮膚と脳には形成される物質に共通点があり、皮膚への微細な刺激については、脳で判断する前に皮膚独自で情報処理を行っている可能性が明らかになってきています。こうしたことから「皮膚は露出した脳」とも言われているようです。

    生物学上でも発達の順は身体→心→脳と言われており、生まれたばかりの赤ちゃんは触覚や皮膚の感覚から発達していきます。次に身体の温かさに加えて心の温もりを感じられるようになってくるのですが、これは赤ちゃんの脳内成長により身体と心の神経の相互連携がスムーズになってくるため。さらに成長が進むとスキンシップの相手が赤ちゃんにとって特別な人として認定されていきます。

    つまり身体も心もバランスよく育てるためには、皮膚からたくさんの情報を体感させて発達につなげていくことが大切です。スキンシップが子どもの心と身体の成長に重要な役割を持つことですね。毎日のスキンシップで肌を十分に刺激し、皮膚の感覚を活性化してあげましょう。

    とくに「抱っこ」と「おんぶ」は積極的に!

    大好きなパパママに抱っこしてもらったり、撫でてもらったりすることは赤ちゃんの安心する気持ちにつながり、情緒が安定します。ですから、赤ちゃんが熟睡しているとき以外はいつでもスキンシップしてよいのです。

    とくに抱っことおんぶは意識して行いたいスキンシップ。抱っこは赤ちゃんが身を委ねることでより愛情を感じられます。おんぶでは抱っこよりも顔が高い位置になるので、大人と同じ目線で周囲を見渡せるのがうれしいようです。

    また、おんぶは身体がぴったりくっつくことでより安心感もあります。「抱きグセがついてよくない」とスキンシップを避ける人もいますが、必要なときにしっかりスキンシップをとっておくことはとても重要。子どもが抱っこを求めるのは成長の証なので、むしろ積極的に応えてあげましょう。

    スキンシップに関係して、最近注目されているのがオキシトシンという脳内物質。別名「愛情ホルモン」「絆ホルモン」「幸せホルモン」とも呼ばれる物質で、お互いに安静した気持ちで肌を触れ合うことにより分泌されると言われています。

    オキシトシンがもたらす効果に集中力の向上が知られています。集中することで記憶力が高まるので学習効果が期待できます。脳が最も成長する生後1年の間にオキシトシンの影響をしっかり受けることができると、その後もオキシトシンを出しやすいように脳が変化します。つまり、記憶力がよい、ストレスに強いといった効果がずっと続くのです。

    また、オキシトシンはパパママにもよい影響を与えます。スキンシップを行うことでうれしい気持ちになり、赤ちゃんへの愛情がより深まっていくのを感じるはずです。子どもの脳の成長や能力、さらには性格形成にまで影響をおよぼすスキンシップ。赤ちゃんの時期にはとくに意識して触れ合う時間を持つようにしましょう。

    夕方以降の「ちょっと抱き」で効果UP

    いつでもどこでもスキンシップの時間を捻出できればよいのですが、働くパパとママにとっては難しいものです。重要なのは時間の長さではなく、タイミングとしっかり赤ちゃんと向き合っているかどうか。スキンシップの効果的なタイミングは副交感神経が優位になる夕方以降なので、仕事から帰ってきてからが勝負です。赤ちゃんの顔を優しく見つめながら10~15分ほど抱っこしていると、オキシトシン分泌量がピークになります。

    1度しっかりとオキシトシンが分泌されれば、その後スキンシップの時間が空いてしまっても大丈夫。テクニカルな話になりますが、1時間後ぐらいにもう一度ちょっとだけ抱っこすることでオキシトシンの分泌を高い状態で維持できるようです。「ちょっと抱き」でも赤ちゃんに愛情が伝わることが大切なのです。