子どもの消毒剤・除菌剤の誤飲、眼に入る事故に注意しましょう!
子どもの消毒剤・除菌剤誤飲や眼に入る事故が増えています。事故が起きやすいシーンや起きたときの対策について確認しておきましょう。
- 慣れてきた今だからこそ気を引き締めて
- 「眼に入る事故」が発生するシーンと応急処置
- 「誤飲」が発生するシーンと応急処置
- 判断が難しい場合は公的サービスに相談を
慣れてきた今だからこそ気を引き締めて
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、急速に普及して今や日常となった手や指の消毒。さまざまな人々が利用する建物や施設、店舗の出入口には必ずといっていいほど消毒剤や除菌剤が設置され、家庭でも、戸外での遊びでも当たり前のようにそれらを使う状況が続いています。
こうした日常のなか消毒剤や除菌剤に関係する子どもの事故が多くなっているとして、消費者庁は「子ども安全メール」で「消毒剤・除菌剤の取扱いに留意しましょう。誤飲や眼に入る事故の発生が続いています!」と注意を呼びかけています。
化学物質による急性中毒などの相談を受け付けている「日本中毒情報センター」によれば、「自宅や店舗などで消毒剤・除菌剤が眼に入った」という相談は2019年以降急激に増加。また、医療機関から事故情報の提供を受けて注意喚起を行う消費者庁・国民生活センターにも、「子どもが消毒剤・除菌剤を誤って口にしてしまった」という事故情報が寄せられているということです。
「眼に入る事故」が発生するシーンと応急処置
「日本中毒情報センター」やインターネット上での医師への相談事例によると、消毒剤などが子どもの眼に入る事故は、以下のようなシチュエーションで起きているようです。
家庭では
◇目を離したすきに、子どもがスプレータイプの消毒剤を自分の顔の方に向けて噴射してしまった
◇子どもを抱っこしたまま手指を除菌しようとして、スプレーした消毒剤が子どもの眼に入った
◇ジェルタイプの消毒剤を付けたばかりの手で誤って子どもの眼を触ってしまった
など
外出先では
◇店舗の入口に置いてあるプッシュ式の消毒剤がちょうど子どもの顔あたりの高さにあり、親が使用した際に子どもの眼に飛んだ
◇手指をかざすと自動的に噴射されるタイプのディスペンサーを子どもがのぞき込み、消毒剤が噴射されて両眼にかかった
◇足踏み式ディスペンサーのペダルを子どもが踏み、出た消毒剤が子どもの眼に入った
など
こうした事故を防ぐため、消毒剤などを使用するときは周りに小さな子どもがいないかどうか十分に注意してください。子どもがひとりで設置型のディスペンサーに近づいたり触ったりしないよう普段から言い聞かせ、家庭でも消毒剤などは子どもの手の届かないところに保管しましょう。
もし消毒剤などが眼に入ってしまった場合は、こすらずにできるだけ早く水で洗い流しましょう。眼を洗うには、水道の蛇口から両手に水をためて子どもの目の近くにもっていき、水中でパチパチとまばたきさせる動作を、水を替えながら何度か繰り返します。
子どもが自分で顔を水に漬けてまばたきすることが難しい場合は、仰向けに寝かせてまぶたを開き、コップなどに入れた水を低い位置から静かに眼に注ぐ、という方法もあります。応急処置をしても、目を痛がるなどの症状が続く場合は眼科を受診しましょう。
「誤飲」が発生するシーンと応急処置
一方、子どもが消毒剤などを誤って舐めたり、飲んでしまったりする事故は、以下のようなシチュエーションで起きているようです。
◇ペットボトルや可愛い容器に入れ替えて保存していた消毒剤などを子どもが水やジュースと間違えて飲んでしまった
◇大人の真似をして消毒スプレーを手に噴霧し、その手を舐めてしまった
◇目を離したすきに携帯用のアルコールジェルを噛むなどして遊び、ジェルが口に入ってしまった
◇テーブルに噴霧した除菌剤を、乾かないうちに子どもが舐めてしまった
など
誤飲を防ぐためには、やはり消毒剤などを子どもの手が届くところや飲物と間違いやすい冷蔵庫などに置かないこと、携帯用やストラップ型の容器を触らせないこと、大人が使うときも周りに子どもがいないか注意することが大切です。
もし誤飲してしまったら、舐めた程度の少量であればすぐに水で口をすすぎ、コップ1〜2杯の水か牛乳(アレルギーがない場合)を飲ませて様子を見ます。
一口以上飲んだとき、濃度の高いものや原液を飲んでしまったときは、同様の応急処置をした後、飲んだ製品を持参して医師の診察を受けましょう。
いずれのケースでも、水や牛乳を飲ませるのは成分の希釈や消化器官の保護が目的です。ジュースなど酸味のある飲料や炭酸飲料を飲むと、誤飲した消毒剤・除菌剤の主成分によっては熱やガスが発生する可能性がありかえって危険なので避けるようにしましょう。
なお、飲み込んだ成分を吐かせようとすることで粘膜が傷ついたり、気管に入ったりするケースがあるため、無理に吐かせる必要はないようです。
判断が難しい場合は公的サービスに相談を
病院を受診したほうがよいのかどうかなど、判断に迷った場合は「日本中毒情報センター」の中毒110番、または医師や看護師等に相談できる「こども医療でんわ相談」を利用することもできます。
公益財団法人 日本中毒情報センター 中毒110番電話サービス
大阪中毒110番(365日 24時間対応):072-727-2499
つくば中毒110番(365日 9時~21時対応):029-852-9999
こども医療でんわ相談
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