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【制度解説】低所得の妊婦に対する初回産科受診料支援事業

低所得の妊婦に対する初回産科受診料の支援がスタート
経済的な事情のある妊婦を対象に、令和5年度からスタートした「初回産科受診料支援事業」について紹介します。

  • 初回産科受診料の経済的負担を軽減する制度
  • 事業の目的や対象、助成内容
  • 制度の詳細は各自治体の窓口で確認を

    初回産科受診料の経済的負担を軽減する制度

    安心して子どもを産み、すべての子どもが健やかに育つ社会をつくるため、平成13年から国が推進している国民運動計画「健やか親子21」。

    地域や家庭環境などの違いにかかわらず、すべての妊産婦や乳幼児が充実した母子保健サービスを受けられることを目指し、さまざまな支援や対策がすすめられています。

    その一環として令和5年度から始まったのが、「初回産科受診料支援事業」です。これは経済的な事情のある妊婦に対して行われる支援で、各自治体(市区町村)が主体となり、順次運用をスタートさせています。

    事業の目的や対象、助成内容

    「初回産科受診料支援事業」の詳細は以下のとおりです。

    ◆目的

    低所得の妊婦の経済的負担を軽減しつつ、その後の出産・子育てにかかわる継続的な支援につなげるため、健康保険が適用されない初回の産科受診料の費用を助成する。

    ◆対象者

    住民税非課税世帯(※1)、または同等の所得水準(※2)にある妊婦
    ※1 住民税非課税世帯とは、世帯の中に住民税を課税されている人が一人もいないことをいいます。
    ※2 住民税非課税世帯ではないものの前年度より所得が減少し、住民税非課税世帯と同等の所得水準にあるケース、また若年妊婦などで本人に所得がなく、同一世帯の親からの経済的な援助が期待できないケースなどを指します。

    ◆内容

    初回の産科受診料(妊娠判定に要する問診、診察、尿検査、必要に応じた超音波検査などの費用)が助成されます。
    ◇令和5年4月1日以降の受診が対象となります。
    ◇1回の妊娠判定につき上限10,000円を目安に助成されます。
    ◇妊娠と判定されなかった場合や健康保険の適用を受けた(保険診療となった)場合は助成の対象外となります。
    ◇産科の受診前に「市販の妊娠検査薬で陽性反応を確認すること」が条件となっている自治体もあります。

    ◆助成の方法

    助成方法は自治体によって異なります。おもに以下のような助成方法があります。

    <助成券を申請する>
    産科受診前に申請を行い、自己負担なしで診察を受けられる受診券や助成券を受け取ってから協力医療機関を受診します。

    <払い戻しの手続きをする>
    産科受診費用を一旦自己負担で支払い、受診後に申請して助成金を受け取ります。

    制度の詳細は各自治体の窓口で確認を

    「初回産科受診料支援事業」の実施主体(管轄)は市区町村で、令和5年4月以降、準備が整った市区町村から事業の運用が始まっています。

    問合せや申請先は、妊婦本人が住民登録している市区町村の出産、子育て、健康などを担当する窓口や保健センターです。

    上で紹介した「助成の方法」をはじめ、申請に必要な書類や申請の期限(締め切り)などは市区町村によって異なるため、詳細については各自治体の公式サイトや担当窓口などで確認してください。

    「初回産科受診料支援事業」のほかにも、各自治体が主体となって、妊娠・出産・子育てに関するさまざまな支援が行われています。

    ほんの些細なことでも、妊娠や出産、子育てに不安やためらいがあるときは、住んでいる自治体にどのような制度があるのか問い合わせてみましょう。

    <参考>
    母子保健・不妊症・不育症など|こども家庭庁
    健やか親子21|妊娠・出産・子育て期の健康に関する情報サイト|こども家庭庁