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5月から増える「子どもの転落事故」に注意しましょう

5月から増える「子どもの転落事故」に注意しましょう
小さな子どもが窓やベランダから転落する事故が頻発しています。事故が起きやすい状況や防止対策を確認しておきましょう。

  • 窓を開放する季節はとくに注意が必要です
  • 子どもがよじ登れる足場があると危険です
  • 家庭でできる子どもの転落防止対策

    窓を開放する季節はとくに注意が必要です

    東京消防庁の「救急搬送データ」によると、子どもの転落事故はひとりで歩けるようになる1歳ごろから増え始め、好奇心や自我の芽生えによって活発に動き回るようになる3〜4歳でもっとも多くなっています。
    時期別にみると、転落による救急搬送人員がとくに多いのは5〜6月と9〜10月です。窓を開放しておく機会が増える初夏や秋頃に思わぬ事故が起きていることがわかります。

    子どもがよじ登れる足場があると危険です

    「医療機関ネットワーク事業(※)」で収集された転落事故の発生状況によると、子どもの転落事故は、子どもだけで遊んでいるとき、保護者が別室にいて目が届かないときなどに多く発生しています。具体的には、以下のような例がありました。

    ◇網戸に寄りかかる
    寝室の窓を開け網戸のみにしていたところ、子どもが網戸を背にして寄りかかり、網戸が外れて転落。窓は床から60cmの高さで、窓枠には10cm程度の子どもが座れる奥行きがあった。

    ◇室内で足場になるものに登る
    リビングの窓を開け網戸のみにしていたところ、歩き始めたばかりの子どもが窓際に置いたソファによじ登り、網戸を突き破って転落。

    ◇ベランダで足場になるものに登る
    子どもがベランダの柵を乗り越え、転落。柵は90cmの高さがあったが、床から50cmの位置に飾りがあり、足をかけて登ることが可能だった。

    ◇ベランダの室外機に登り、手すりを越える
    ベランダの手すりは子どもの超えられる高さでなかったが、手すりを越えて転落。近くに設置してあったエアコンの室外機によじ登ったと考えられる。

    ※「医療機関ネットワーク事業」は、「消費者庁」と「独立行政法人国民生活センター」の共同事業です。この事業に参画した医療機関から消費生活上の事故に関する情報を収集して分析・評価し、注意喚起や再発防止への取り組みなどを行っています。

    家庭でできる子どもの転落防止対策

    転落事故から子どもを守るためには保護者の目配りが大切とはいえ、毎日の生活のなかで「子どもから一瞬たりとも目を離さない」ことには限界があります。万が一のリスクを考え、あらかじめ転落事故を防ぐ環境づくりをしておきましょう。

    (1)ベランダへの出入り口や窓に、補助錠などを設置する
    子どもが勝手に窓や引き戸を開けられないよう、窓枠の最上部など子どもの手の届かないところに、一定以上は窓が開かないよう固定するストッパーや補助錠を付け、施錠を徹底しましょう。

    (2)網戸だけの場合も含め、窓を開けた部屋では子どもだけで遊ばせない
    網戸は力をかけて押すと簡単に外れる場合があり、1歳くらいの体重でも寄りかかると外れる可能性があります。窓が開いていることに気付かず、レースのカーテンに体重をかけてしまうケースもあるので注意が必要です。

    (3)窓際に、足場になるようなものを置かない
    たとえ1階でも、窓から落ちれば大きな事故になる可能性があります。出窓や窓枠の近くに、子どもが登れるベッドやソファ、棚、おもちゃ箱などを置かないようにしましょう。

    (4)ベランダの手すり付近に、足場になるようなものを置かない
    エアコンの室外機、ベンチ、プランター、植物などの鉢台は手すりから60cm以上離して設置しましょう。子どもが押したり運んだりできる重さのテーブルや椅子、ごみ箱、クーラーボックス、束ねた新聞や雑誌、はしごのように登れるラティスも危険です。

    エアコンの室外機を手すりから離すことが不可能な場合は、室外機そのものに近づけない(越えられない)板や柵を設置する、室外機の上に突起物の付いた「猫よけマット」などを貼って子どもが手をついたり登ったりできないようにする、などの対策が考えられます。

    子どもの事故や防止対策についてより詳しい情報を知りたいときは、以下のサイトを参照してみてください。

    ご注意ください!窓やベランダからのこどもの転落事故|政府広報オンライン

    子どもの転落事故に注意! – 落ちるまではあっという間です。事前の対策で事故防止を –|消費者庁
    ※窓やベランダに限らず、抱っこやおんぶ、家具や遊具、階段などからの転落事故についての事例や防止対策をまとめたページです。

    こどもの事故防止ハンドブック|子ども家庭庁
    ※転落事故に限らず、窒息や誤飲、水回り、やけどなど0歳から6歳までの子どもに起きやすい事故や防止対策をまとめたハンドブックです。