育児と介護のダブルケア問題を考える
高齢出産が進むにつれ、幼い子どもの育児と、高齢の両親の介護を同時に背負うママやパパが増えています。近い将来、さらにその数は増え、社会問題に発展すると言われているダブルケア。まずは理解を深めておきましょう。
ダブルケアって?
手がかかる幼い子どもの育児と、家族や親族の介護が同時期に発生することを「ダブルケア」と言います。第一子の出産年齢はこの40年で約5歳上回り、平均30歳と言われる昨今、子育てに大変な時期に両親が要介護状態になってしまうケースが増えつつあるのです。内閣府男女共同参画局の「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査報告書」によると、ダブルケアをする人は全国で25.3万人存在すると言われ、いつ自分たちの身に起きてもおかしくありません。まだ直面していない人も、事前に知識を備えておくことが大切です。
ダブルケアを抱えるママたちの悩み
大きくは、「体力面」「精神面」「経済面」に分けられます。ダブルケアに突入する人の多くは40代。家事・育児・仕事のうえに、介護が加わると時間的拘束のある仕事を離職しなくてはならないという人が多くいます。同調査によると、ダブルケア前後で無職率が、男性1.5%⇒2.4%、女性32.8%⇒44%と、お世話の負担がのしかかるのは圧倒的に女性のようです。
また、実際にダブルケアをする人が もっとも辛いと感じるのは、「精神面」であるということも表面化してきました。育児と違って、介護について気軽に相談できる相手がいなく、孤独を感じてしまうのです。さらに、教育費と介護費が同時にかかる「ダブル負担」も大きな問題です。