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「読み聞かせ絵本」の効果は? 絵本の選び方や読み聞かせのコツも紹介

「読み聞かせ絵本」の効果は? 絵本の選び方や読み聞かせのコツも紹介
子どもが読書好きになるかどうかは、乳幼児時代の「読み聞かせ」が大きく影響します。読み聞かせの効果や絵本の選び方、読み聞かせのポイントを紹介します。

  • 「読み聞かせ」は子どもが読書習慣を身につける第一歩
  • 「読み聞かせ」の効果は?
  • 絵本を選ぶポイントは?
  • 読み方のポイントは?

    「読み聞かせ」は子どもが読書習慣を身につける第一歩

    文部科学省によると、「読書を通じて、読解力や想像力、思考力、表現力等を養うとともに、多くの知識を得たり、多様な文化を理解したりすることができるようになる」と提言しています。

    また、子どもが読書を好きになって自発的に読書するようになるためには、乳幼児時期から年齢に応じた取り組みが必要としています。「読み聞かせ」をたんに子どもを寝かしつける手段と思っているパパママもいるかもしれませんが、じつは、子どもの成長を左右するとても大事な行為ということですね。

    「読み聞かせ」の効果は?

    読み聞かせは、0歳から有効といわれていますが、読み聞かせ効果の手応えを感じられるのは、やはり子どもが言葉を覚えたり話したりするようになってからでしょう。実際、多くの幼稚園や保育園で「絵本の読み聞かせ」が取り入れられています。ここでは、絵本の読み聞かせ効果をいくつか紹介します。

    想像力や感受性が磨かれる

    絵本は、動画などと違って子どもの様子を見ながら読み進められます。物語に集中できれば、物語の情景を思い浮かべたり、登場人物の気持ちを考えたりする余裕が生まれ、子どもの想像力や感受性が刺激されます。

    コミュニケーションのとりかたを自主的に学べる

    幼児に対しては必然的に「こうしようね」「こうしたらいけないんだよ」と教えることが多くなりますが、絵本を通じて、「こういうときは『ありがとう』っていおう」「こういうことはしてはいけないんだ」と子ども自身が感じとって学ぶことができます。

    好奇心が高まる

    「この後どうなるの?」とストーリー展開のワクワク感、絵本の世界観、ストーリーの疑似体験に子どもたちの好奇心が刺激されます。

    親子との絆が深まる

    家で絵本の読み聞かせをする際は、子どもを膝に載せたり、添い寝したりと親子の距離が近くなります。親子が触れ合うことで、親も子も「愛情ホルモン」といわれる「オキシトシン」が脳から分泌されるといわれています。

    絵本を選ぶポイントは?

    まず絵本選びは、子どものリクエストも確認しつつ、読み手が好きだな、読んであげたいな、と思う絵本を選ぶのがよいそうです。ただ年齢に合っていないと子どもに伝わりづらく楽しむことができなくなるので、年齢に合わせた絵本選びは大事なポイントです。

    0歳ごろ

    はっきりした絵と色、オノマトペ(自然界の音、声、物事の状態や動きなどを音で象徴的に表した語。音象徴語、擬音語、擬声語、擬態語など)がたくさん用いられているものがおすすめです。言葉が未発達なので、音が特徴的なものや生活で目にする身近な絵や題材が興味をひきます。最近は触れて感触を楽しめる絵本もあります。

    1歳~2歳ごろ

    子どもができることや興味が増えてくる時期、たとえばプリンセスや車など子どものマイブームを題材としたもの、タッチや声合わせなど、読み手と子どもとのコミュニケーションが楽しめる絵本がおすすめです。

    2~3歳ごろ

    絵本への理解が進む一方、おとなしく座って聞くことが難しい子も。未就学児の場合は5分以内に読み終わる長さがベストです。繰り返しの展開などシンプルな内容が、次の展開へのワクワク感を楽しめてよいようです。

    3~4歳以上

    絵本をじっくり楽しめる年齢になってきます。簡単なストーリーがあるものから、年長さんごろになると、読むのに10分近くかかるお話や2日に分けて読み進めるようなストーリーも楽しめるように。子どもと一緒に読みたい絵本を選ぶ楽しみも出てきます。

    読み方のポイントは?

    読み聞かせを楽しむために大切なことは、子どもとコミュニケーションをとりながら自分も楽しむこと。「忙しいけど子どもに絵本を読んであげなきゃ」「この時間は絵本の時間!」「うまく読まなきゃ」など『絵本を読むことを目的』にしてしまうと子どもにもそれが伝わってしまいリラックスして楽しむことができません。子どもが絵本の気分でないときは無理強いせず『一緒に絵本を楽しむスタンス』がよいそうです。

    導入は絵本のタイトルと作者を読み上げ、表紙裏の見返しを見せてからスタートします。絵本が始まる期待感を高めるとともに、見返しは絵本のストーリーに関係のある表現がされている場合もあり、年齢を重ねるにつれて見返しの表現や内容も楽しむことができます。

    言葉が未発達の乳幼児から幼児期くらいまでの場合は、感情をこめて絵を指さしながら読むことで、情感や絵と言葉の音の関連性がイメージしやすくなります。言葉や社会性の理解が進む年中さん以上の場合は、子どもがじっくりと自分で絵を楽しめるように、絵を指さすよりもしっかり見せるほうがよいそうです。

    また、自分でストーリーの世界観を楽しみたい子も出てくるので、読み手の感情表現などは最低限に、シンプルに読み進めることを好む場合もあります。

    大切なことは、子どもの反応をしっかり見ながらそれに合わせること。読むスピードも最初はゆっくりめに。絵をじっくり楽しめるようにしてみて、子どもが冗長な反応を示す場合は早めるなど調整してみましょう。

    何よりもまずはお互いが楽しむこと。一方的に聞かせるのではなく子どもの反応を見ながら双方向コミュニケーションを大切にすることで、絵本の時間がお互いにとってより充実したものにできそうです。