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気になる赤ちゃんの指しゃぶり。すぐに止めさせるべき?


赤ちゃんの指しゃぶりは健康な発育過程のひとつですが、いつまでしていて大丈夫なのか心配になるパパママもいることでしょう。ここでは指しゃぶりが起こる理由ややめる時期、卒業するコツなどについて解説します。

  • 指しゃぶりのはじまり
  • 指しゃぶりいつまでにやめる?
  • 指しゃぶりを卒業するコツ

    指しゃぶりのはじまり

    赤ちゃんが指を口に入れる行動を見て、おっぱいが足りないのかも? 不安やストレスがあるのかも? と心配するママも多いようですが、これは赤ちゃんの成長過程において普通に起こる現象だそうです。

    エコー検査で胎児を調べたところ、指しゃぶりはお腹の中にいるときから行われていることが判明していて、妊娠14週のころには口のほうへ手を持っていく動きが見られます。これは「探索反射」と呼ばれるもので、胎児期や新生児期の赤ちゃんに備わっている原始反射と呼ばれる反射反応のひとつ。口の近くに何かが触れるとその方向を向く反射動作で、生後すぐにおっぱいを探すための備わった反射能力といわれています。
    そして妊娠24週くらいになると、指が口の周囲に触れたときに反射的にくわえて吸う「吸引反射」などの原始反射による行動をとるようになります。
    これらは生まれてからおっぱいを飲むための大切なトレーニングと考えられています。

    誕生してからも指しゃぶりは続きます。生後2カ月から3カ月ぐらいで自分の意志で指をくわえられるようになり、好みの指を見つけてしゃぶることも。ただ、この時期の赤ちゃんは、まだものを上手に持つことができないので、スムーズに口に持ってこられるもの、すなわち自分の手指を調べようとしているのでしょう。
    生後4カ月目に入ると、手を上手に使えるようになり、自分のまわりにある興味が向くものを口に持っていってくわえたり舐めたりしはじめます。

    赤ちゃんにとって指しゃぶりは、自分の意志で手が動かせるようになってからの遊びのひとつであり、さまざまなものを口に入れて形や感触などを学んでいるのです。

    指しゃぶりはいつまでにやめる?

    指しゃぶりは、一人で歩けるようになり、いろいろな遊びを覚えていくことで、自然に消滅していくのが一般的ですが、赤ちゃんによっては心の安定を得るためにもう少し続くこともあるようです。

    日本小児科学会によると、「3歳頃までは、特に禁止する必要がないものである」とされています。歯が生え揃う4歳から5歳の指しゃぶりは、歯列不正や舌の異常、発音障害のリスクがあるため、4歳以降も頻繁な指しゃぶりが続く場合は、小児科医、小児歯科医および臨床心理士の連携による積極的対応が必要となるようです。

    とはいえ指しゃぶりは赤ちゃんのさまざまなサインを反映しているものなので、無理やり止めさせるのではなく、赤ちゃんのストレスが溜まらないよう、工夫しながらやめられるようにできるといいですね。

    指しゃぶりを卒業するコツ

    指しゃぶりを卒業には次のような方法があります。

    外でよく遊ばせてあげる

    外で遊んでいるときは、外の刺激を受けたり、遊びに集中していることで、指をしゃぶることを忘れます。

    寝る時に手をつないであげる

    不安な気持ちから寝るときに指しゃぶりしてしまう場合は、手をつないであげることで安心して眠ることができます。

    コミュニケーションをとり安心感を与える

    共働きでパパやママとなかなか話せなかったり、人見知りで友達と上手く話せないといった精神的な不安から指しゃぶりしてしまう子もいます。そんなときは、できる限りお子さんと話したり遊んだりしてコミュニケーションをとって安心感を与えてあげるとよいでしょう。

    なお、おしゃぶりで代用するという方法もありますが、メリットもデメリットもあります。メリットとしては鼻呼吸が定着しやすくなる、落ち着いてくれる、寝かしつけしやすくなる、などがあります。デメリットは、長時間口にくわえることでおしゃぶり以外のものを口に入れて感覚を養う機会が失われます。また、歯並びや唾の飲み方にも影響を及ぼす可能性があるようです。
    指しゃぶりについてはさまざまな意見がありますが、いずれにしてもその様子をきちんと観察しながら丁寧に対応していくことが必要ですね。