海外でおなじみの『液体ミルク』ついに解禁に?!
日本での粉ミルクに対し、海外で一般的に流通している『液体ミルク』をご存知ですか?紙パックやペットボトルに入った『液体ミルク』は、水やお湯で溶かす必要がないため外出時でも気軽に利用でき、哺乳瓶の消毒などもいらず衛生的だと、欧米やフィンランドなど海外では一般的に利用されているようです。これまで日本で製造販売がなかったのは、厚生労働省の省令で、乳幼児用食品は「粉乳」と限定され、液体ミルクの製造販売が認められていなかったため。そんな中、ついに厚生労働省が『乳児用液体ミルク』について、製品の規格基準の議論を始め、成分や容器包装などについて基本的な方向性を示したということです。安全性が確認されれば食品衛生法に基づく省令を改正する方針だということで、ついに国内でも待望の『液体ミルク』の製造販売がされるのかが注目されています。
被災地でたくさんの赤ちゃんを救った『液体ミルク』
2011年の東日本大震災の際、フィンランドに住む日本人ママの発案により東北の被災地に届けられた液体ミルクが、多くの赤ちゃんを救ったと話題になりました。粉ミルクを溶かすお水がない、お水はあってもお湯にするための手段である電気、ガスが止まっている、という状況の被災地では、常温でそのまま飲める液体ミルクがとても重宝し喜ばれたというのは納得です。さらに5年後の熊本地震でも、東日本大震災での液体ミルクの重要性から発足された「液体ミルクプロジェクト」の活動により、フィンランドの液体ミルクが5190パック届けられ、被災地の親子に配布されたそうです。その後、国内での液体ミルクの必要性を訴え、日本での販売流通を求める署名活動が現在も行われています。
『液体ミルク』のメリットとデメリットは?
災害時に重宝した1番の理由は、水やお湯がなくても調乳せずにそのまま赤ちゃんに飲ませることができる手軽さでしたが、他にも、災害時のストレスで一時的に母乳が出なくなってしまったママにも役立ったようです。他のメリットとしては、液体ミルク容器にそのまま吸い口を付けるだけなので哺乳瓶の消毒もいらないこと、外出先に哺乳瓶とお湯入りの水筒などを持っていかなくてもよいので荷物が減ること、賞味期限が製造費から1年と意外に長く保存がきく、夜中の調乳が必要ないので、パパが簡単に赤ちゃんに飲ませることができ、パパの育児参加につながる…といったところが考えられそうです。
逆にデメリットを考えてみましょう。現在は海外で製造された商品をインターネットなどを通じて購入するという方法しかありません。お店で買うより手間がかかり、手元に届くまでに時間がかかるうえに、関税や輸送費が金額に上乗せされるために非常に高価で、毎日飲ませるには手が出ないということが1番のデメリットと言えそうです。また、現在は日本で安全性を保証されていないので、なんとなく不安だというママも多いでしょう。
今回の厚生労働省の検証により安全性が確認されると、安心して赤ちゃんに与えられますね。また、国内で製造流通されると価格競争も起こり、手軽に購入できるようになるかもしれません。パパの育児参加や災害時の備蓄にもなる液体ミルクの今後に注目したいですね。