必要な人に必要な支援を「令和6年能登半島地震 支援情報ナビ」

日本でもスタート!”ネウボラ”がお手本の子育て支援

最近聞くけど“ネウボラ”とはどういう支援?


最近日本でも注目されている、フィンランドの子育て支援“ネウボラ”。
ネウボラを直訳すると「相談やアドバイスの場」という意味だそうですが、妊娠から出産、子どもが就学するまでを自治体が切れ目なくサポートしてくれるしくみのことを言います。フィンランドでは、妊娠するとまず、ネウボラの施設で無料の健診が受けられます。出産までの健診では、妊娠の経過だけにとどまらず、出産や育児に関すること、家族のこと、その時点での不安なことなどを30分から1時間ほどかけてじっくりと相談やお話をすることができます。その際必要に応じて、助産師・保健師などとの面会、医療機関への橋渡しも行ってくれるという心強いしくみです。妊娠から出産、その後の子どもの就学までを基本的には同じ担当者である通称“ネウボラおばさん”が、母親のみならず、子ども、父親、きょうだいなど家族すべての心身をサポートしてくれるので、信頼関係も結ばれ、安心して出産、その後の子育てに臨めるということです。

他にもあるフィンランドの子育て支援

さらにフィンランドの出産・子育てに関する支援として羨ましいのが、新生児からおよそ1歳までに必要な肌着や衣類、おもちゃなどの赤ちゃんグッズ約50点が詰まった「Finnish Baby Box(フィンランド・ベイビー・ボックス)」のプレゼントです。これか現金支給の選択ができますが、ほとんどの家庭でこの「Finnish Baby Box(フィンランド・ベイビー・ボックス)」が選ばれているとか。また、この支援を受けるには、ネウボラなどの施設で妊婦健診を受ける事が条件となっているため、フィンランドの妊婦健診の受診率はとても高く、それが母子の健康リスクの早期発見や予防につながり、その結果として妊婦・出産時の母子・乳幼児の死亡率の低下にも貢献したと言われている、好循環な支援なのです。

最近日本でも、育児に積極的に参加する父親を応援していますが、日本での父親の育児休業取得率は依然低く約30%弱。これに対しフィンランドでは「父親休業」取得率が80%にのぼるといいます。さらに両親のどちらか都合のいいほうが休める「親休業」というシステムも活用され、日本よりも父親が育児に参加しやすい体制になっているようです。
女性のほとんどがフルタイムで働いているというフィンランドですが、2015 年日本の合計特殊出生率1.42人に比べ、フィンランドでは約1.75人の水準を保っているというのも、これらのような社会全体で見守ってくれる支援策のおかげともいえるかもしれません。

日本でも始まっている“ネウボラ”のような支援策!

日本でもこの“ネウボラ”のような、切れ目のない支援をしてくれる自治体が増えています。産前の両親学級の他にも、プレママ・パパを応援するプログラムの企画や、産前産後において地域の子育てセンターなどで心配事などを相談できる体制づくり、日帰りや宿泊のできる産後ケアの充実など、ほとんどの自治体ですでに実施されています。お住まいの地域の情報を確認しておくと心強いですね。地域やたくさんの人に見守られながら、誰もが不安なく妊娠、出産し、安心して子育てできる社会づくりに期待したいですね。