家庭でできる食中毒の予防法は?
ジメジメと蒸し暑くなるこれからの季節は、「食中毒」に注意しましょう。
これから夏にかけ、食中毒の原因となる菌が最も繁殖しやすい時期ですが、一方でBBQなどのイベントなど、屋外で調理をして飲食をする機会も増える時期ですよね。
屋外でも屋内でも、家庭でできる予防法を確認して、楽しい夏を過ごしましょう!
家庭内でも発生する「食中毒」
食中毒は、飲食店での集団発生が多いイメージですが、実は家庭内での発症も多いそうです。家庭内での発症は、症状が軽かったり、風邪やただの腹痛だと勘違いしたりと、気が付かず重症化するケースもあるとか。
食べ物が腐っている場合は、見た目やにおいなどで判断できますが、食中毒になる恐れのある食べ物の場合は、見た目で判断することが難しいこともあるので、注意が必要です。
今日から実践!食中毒はこうして防ごう
1) お料理をしている時の手や食材はしっかり洗う
2) 加熱すべき食材は充分に加熱する
3) 生肉・生レバー・生魚介類に注意する
といったことは大原則ですが、意外に知らないポイントをご紹介します。
≪お買い物の時≫
◎肉や魚の水分が他の食品につかないよう、ひとつずつビニール袋に入れる
◎スーパーなどでは、生鮮食品は最後にカゴに入れ、帰宅後はすぐに冷蔵庫に入れる
≪冷蔵庫の中は≫
◎冷蔵庫の中はこまめに掃除し清潔に
◎食品の詰め過ぎに注意。7割くらいを目安に
◎ビンや缶を入れる時はキレイに拭いてから
◎冷凍した肉や魚を解凍する時は冷蔵庫内で。室温での解凍は細菌が増殖し危険
≪キッチン回り≫
◎食器洗いスポンジは汚れと洗剤を完全に落とし、できれば日光消毒も
◎まな板は熱湯消毒や漂白剤を使用して殺菌する
◎布巾・タオルはいつも清潔に
≪調理の時≫
◎加熱調理するものは充分に加熱。充分な加熱によって食中毒菌を死滅させることができる。
中心部の温度が75度で1分加熱が目安
◎最近人気のジビエ料理(シカやイノシシ肉など)も充分な加熱が必要
◎調理の途中で放置せず、冷蔵庫へ入れる習慣を
◎菜箸と食事用の箸は別のものを使う
◎おにぎりやサンドイッチは直接手が触れないよう、ラップやビニール手袋を利用
◎切り傷がある手や、絆創膏を貼っている手で食材を触らない
原因により症状も変わる
食中毒の原因は、サルモネラ菌・腸管出血性大腸菌などの細菌、ノロウイルスなどのウイルス、フグや毒キノコなどによる自然毒や、2016年に入り報告件数が増えているアニサキス寄生虫、化学物質によるものなど、さまざまです。原因により症状が出るまでの期間や症状が異なります。例えば、サルモネラ菌が原因の食中毒では、潜伏期間が4から48時間、症状はおう吐・腹痛・38度前後の発熱・下痢。O-157などの腸管出血性大腸菌が原因となると、潜伏期間は3日から9 日間、症状は出血を伴う下痢・ 腹痛・おう吐・子どもや高齢者は合併症を起こしやすい…といった具合にそれぞれです。
普段の腹痛と少し症状が違う気がするなど、食中毒が疑われる時は、医療機関で診察を受けましょう。
生の魚介類に注意!アニサキスによる食中毒が増加
生の魚介類に寄生するアニキサスによる食中毒が増加しているそうです。生の魚介類を食べた数時間後から十数時間後にみぞおちの激しい痛みや嘔吐などの症状が出る急性胃アニサキス症、食後十数時間後から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状がでる急性腸アニサキス症など、激しい痛みが特徴で、内視鏡などで幼虫を摘出することによって治まります。
厚生労働省の統計によると、2007年は6件だった報告件数が、2016年には126件と、約20倍以上に増えているそうです。アニサキスとは、寄生虫の一種で、その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さが2から3cm、幅は0.5から1mmくらい、色は白く少し太めの糸のようなもので、目で確認できるそうです。アニサキス幼虫はサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの生の魚介類に寄生します。
有効的な予防法は、新鮮なものを選ぶ、丸ごと1匹の魚の場合は、できるだけ早く内蔵を取り除く、内臓は食べない、目で良く確認して取り除くなど。
食酢に漬ける、塩漬けする、醬油やワサビなどを付ける…などでは死滅しないそうなので、充分な注意が必要です。
加熱する(60℃で1分、70℃以上では瞬時に死滅)、冷凍する(-20℃で24時間以上冷凍)ことも有効的なようです。
これから暑くなり、加熱料理をするのが辛い時期でもありますが、加熱すべき食材はしっかり加熱したり、外食先での食事にも気を配ったりして、食中毒から身を守りましょう!