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育児休業給付金がもらえる対象者と対象期間|育児休業給付金制度①

この記事は社会保険労務士が監修しています。

育児休業をとることで、ママやパパは育児に専念できます。しかしその一方で、会社を休んでいるためにお給料や手当がもらえないと、一時的に収入が減ってしまいます。
そこで、お金の面でも安心して育児ができるように、育児休業中の生活費を補償してくれる制度が「育児休業給付金」です。この育児休業給付金は、雇用保険から支給されています。

育児休業の「手続き」については「育児休業を取得できる回数と手続き方法|育児休業制度③」をご覧ください。

育児休業給付金の対象者

育児休業給付金の対象者になるには、「対象者の要件」と「育児休業を受け取るための要件」の両方を満たすことが必要です。
この要件を満たしていれば、ママだけでなく、パパも受けとることができます。

対象者としての要件

(1) 1歳(1歳を過ぎても保育園に入所できないなどの理由がある場合は1歳6か月、1歳6か月を過ぎても入所できないなどの理由がある場合は2歳)に満たないお子さんを育てるために育児休業をすること
(2) 雇用保険の被保険者であること
(3) 育児休業開始前の2年間に、賃金支払基礎日数(注釈1)が11日以上または就業した時間数が80時間以上ある完全月が12か月以上あること

【注釈1】
賃金支払基礎日数とは、賃金の支払いの基礎になった日数のことです。原則、月給制の方は各月の暦日数(土日、祝日を含めたカレンダーどおりの日数)が、時給制の方は各月の出勤日が、賃金支払い基礎日数にあたります。
アルバイトや契約社員のように期間を定めて雇用される方の場合は、休業開始時において同一事業主で1年以上雇用が継続していて、なおかつ、休業の対象になるお子さんが1歳6か月に達する日までの間に、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないことが必要です。ただし、お子さんの2歳の誕生日の前々日までの間に、その労働契約の期間が満了し、更新がないことが明らかである方を除きます。

育児休業給付を受けとるための要件

(1) 支給単位期間(注釈2)の初日から末日まで、雇用保険に加入していること
(2) 育児休業期間中に働く場合は、各支給単位期間において就業日数が10日以下または働いた時間数が80時間以下であること(1時間でも働けば1日としてカウントされます。)

【注釈2】
支給単位期間とは、休業開始日から起算して1か月ごとの期間を言います。
例えば、次の図のように2月4日から育児休業を開始すれば、初回の支給単位期間は2月4日から3月3日になります。
ただし、12月4日から12月7日のように、支給単位期間に職場復帰などで育児休業終了日が含まれる場合は、30日に満たない期間であっても支給対象になります。

【注釈】「1歳に達する日」のような「▲歳に達する日」とは、法的には誕生日の前日を指します。

育児休業給付金がもらえる対象期間

ママの場合

産後休業終了日の翌日以降で、育児休業開始日から最長でお子さんが1歳に達する日の前日(1歳の誕生日の前々日)までが対象期間になります。なお、パパ・ママ育休プラスの対象者は、1歳2か月に達する日の前日までが対象期間です。

パパの場合

産後休業がないことから、出産日以降で育児休業開始日から最長でお子さんが1歳に達する日の前日(1歳の誕生日の前々日)までが対象期間になります。

1歳6か月までまたは2歳までの延長の要件を満たしている場合は、1歳6か月に達する日の前日または2歳に達する日の前日まで対象期間を延長することができます。
延長をするときは、延長の理由を証明する書類、例えば市区町村に対して保育の申し込みをして、なおかつ保育が行われていないことが確認できる市区町村が発行した証明書などを申請書に添付することが必要です。

育児休業給付金を受けている間に退職した場合は、原則として退職日が含まれる支給単位期間は支給されず、その直前の支給単位期間までで支給が終了します。
ただし、退職日が支給単位期間の末日になる場合は、退職日を含む期間も支給されます。

育児休業給付金の手続き

育児休業給付金が支給されるまでの手続きのイメージをお伝えします。

1.受給資格確認手続きをします。

育児休業給付金を受け取るために、初回の育児休業給付金申請を行う日までにハローワークで受給資格の確認手続きをします。受給資格確認の手続きとは、育児休業給付金を受け取るための要件や、ママやパパが育児休業給付金を受けとる資格があるかどうかを確認するための手続きです。
この手続きは、ママやパパ自身が行うこともできますが、お勤めの会社で手続きを代行してもらうケースが一般的です。

2.初回の支給申請をします。

支給申請のタイミングは、育児休業を開始し、その支給対象期間が2か月経過してから行われます。その場合の申請期限は、育児休業開始日から4か月を経過する日を含む月の末日までとなります。
なお、受給資格確認手続きと初回の支払い申請を同時に行うこともでき、その場合も育児休業開始日から4か月を経過する日を含む月の末日までに手続きを行うことになります。
このように、受給資格の確認と初回の支給申請を別々に行うか、一緒に行うかによって、手続きのタイミングが異なります。気になる方は、手続きのやり方を会社に確認しましょう。

3.2か月経過するごとに支給申請を行います。

その後は、原則として支給対象期間が2か月経過するごとに支給申請が行われます。この支給申請には、育児休業をしているママやパパの署名と捺印が求められますので、この段階で会社との書類のやりとりが生じることがあります。

ところで、この育児休業給付金は、いくら受け取ることができるでしょうか?
育児休業給付金の支給額については、「育児休業給付金の支給金額|育児休業給付金制度②」をご覧ください。

これらの法律や仕組みについて具体的に知りたい方は

 

※本コラムは、令和5年4月1日時点の法律に基づいています。お手続きなどの詳細につきましては、会社のご担当者様にご確認ください。