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アプリも登場!進化する母子手帳

アプリも登場!進化する母子手帳

 

今や妊娠するともらえるのが当たり前の母子手帳ですが、実は日本独自のもので、戦後日本の出産に伴う母子の死亡率を大きく引き下げたという画期的なものだったのです。その後何度も改訂が重ねられ、現在では各自治体の工夫ページやアプリの登場など、ますます充実したものに。昔の母子手帳はもう古い?どんどん進化しようとしている母子手帳をご紹介します!

 

ママと赤ちゃんの健康を守る母子手帳

妊娠すると市区町村からもらえる「母子健康手帳」。通称「母子手帳」。

この母子手帳、内容は厚生労働省の省令で盛り込むものは定められていますが、「全国統一様式部分」と各市区町村で記載内容を作成できる「任意記載事項」に分かれ、表紙は各自治体によりさまざまです。

母子手帳には、妊婦健診の結果、出産の状態、子どもの定期健診予防接種の記録など、母子の健康管理に必要な情報を記録することができます。これらが戦後、妊産婦と乳幼児の死亡率を大きく引き下げるのに貢献したのです。これをもとに、日本の母子手帳制度を導入する国がここ最近増えてきています。特に妊産婦や乳幼児の死亡率が深刻なアフリカやアジア諸国は導入に熱心で、それぞれの国の文化や特性を持ち込んだ独自の母子手帳が生まれています。

 

母子手帳の隠れた実力

母子手帳と一緒にもらえて嬉しいのが、妊婦健康診査受診などの助成が受けられる別冊版。妊婦だけでなく、赤ちゃんの予防接種や定期健診などの情報も得られます。また、妊娠中から出産後までに必要な知識やアドバイス等も書かれているので、不安になった時のツールとしても心強いものです。

とにかく種類が多い予防接種の記録は、子どもが小・中学校に入学した際にも必要な情報になるので、とても役に立ちます。また、将来、海外赴任や留学など渡航をする場合、行き先により必要な予防接種の内容が変わってきます。そこで、その国に渡航するのに必要な予防接種をすでに受けているかどうかを確認するために必要になるのが、なんと母子手帳なのです。大きくなってからも使う機会があるとは驚きの実力です。

 

地域独自の進化を遂げる母子手帳

10年に一度のタイミングで更新される母子手帳の内容。最近では平成24年に大きな改正があり、乳幼児の発育曲線が最新化されたり、母親や父親がメモを残せる記述欄が増えたりしています。ここのところ様式にとらわれず、独自の情報を盛り込む自治体も増えてきました。たとえば、茨城県常陸大宮市は2004年に手帳を刷新し、通常は小学校に入る6歳に役割を終える母子手帳を20歳まで成長を記録できるように変えています。小児期、思春期での子育てのポイントも盛り込まれ、ずっと子育てを支えてくれる重要なツールとして広く活用できるようになりました。

 

ついに!電子母子手帳の登場

また、別の動きとして母子手帳の電子化があります。
母子手帳副読本の発行元で、妊娠・出産・子育て情報サイト「赤ちゃん&子育てインフォ」を運営する公益財団法人 母子衛生研究会から、読み物ページにプラスして、予防接種などの記録も管理できるアプリが登場。母子手帳副読本の発行元だからこそできる妊娠中から子育て期のママにお役立ち情報です。

千葉県柏市では、民間企業9社との公民学連携によるスマホアプリが試験導入されています。妊婦健診の結果を遠くのおじいちゃんおばあちゃとシェアできたり、市主催のパパママ講座の動画が見られたり、予防接種のスケジュール管理ができたり、子どもの成長記録が写真と共に残せたりと、アプリならではの楽しい機能がいっぱいです。

他にも電子母子手帳の開発や運用は進んできていますが、提供する企業によって仕組みがバラバラなので、今後はさまざまな施設でデータを共有できるようにシステムの統一化を目指しているようです。

赤ちゃん&子育てインフォ(外部サイト)

柏市オフィシャルウェブサイト(外部サイト)

 

注目を浴びる「新・母子健康手帳」

博報堂と親子健康手帳普及協会の共同プロジェクト「日本の母子手帳を変えよう」が独自に開発した「新・母子健康手帳」も注目を浴びています。父親の育児参加を応援する「お父さんも一緒」機能や、子どもの医療歴を成人まで残す「健康カルテ」機能、育児の不安を減らす「癒し励まし」機能が盛り込まれ、さらに改定が進められているそうです。

ますます使いやすく進化する母子手帳。単なる記録だけでなく、のちに親の愛情が子どもに伝わる大事なものになれば嬉しいですね。

母子健康手帳について(厚生労働省)

日本の母子手帳を変えよう(外部サイト)