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「いかのおすし」は何の略? 子どもを犯罪から守る5つの合言葉

「いかのおすし」は子どもを犯罪から守る5つの合言葉
「いかのおすし」とは、子どもが自分で自分の身を守るために憶えておきたい合い言葉。就学前からしっかり伝えておきましょう。

  • 楽しく学べる防犯標語「いかのおすし」
  • 子どもに教えるときは具体的に!「いかない」の場合は?
  • 「のらない」は親切な誘いにも注意
  • ためらわずに「おおごえをだす」指導を
  • 「すぐにげる」ときの駆け込み先は?
  • 日頃から些細なことでも「しらせる」環境づくりを

    楽しく学べる防犯標語「いかのおすし」

    「いかのおすし」は、子どもが不審者から身を守るために大切な5つの行動を、憶えやすいフレーズで示した合い言葉です。
    元々は警視庁少年育成課と東京都が子どもの防犯学習のために考案した標語で、親しみやすくインパクトのある響きがポイントとなり、今では全国に広がっています。

    「いか」ない
    「の」らない
    「お」おごえをだす
    「す」ぐにげる
    「し」しらせる

    の頭文字をとって「いかのおすし」。

    子どもが犯罪に巻き込まれることを未然に防ぐため、「行かない」「乗らない」「大声を出す」「すぐ逃げる」「知らせる」それぞれの意味を、親子で一緒に確認しておきましょう。
    おやこでまなぼう!「いかのおすし」で毎日安全!/警視庁

    子どもに教えるときは具体的に!「いかない」の場合は?

    「いかのおすし」という標語を教えるときに大切なのは、一つひとつの言葉が示す状況を具体的にイメージしておくことです。

    たとえば「いかない」を説明する場合、「(付いていくと悪いことが起きるから)知らない人には絶対に付いて『いかない』」という一言で終わらせてしまうと、子どもは「見たことのない怖い人≒悪い人」のみを想像して、
    ◇公園などで見たことがある/話したことがある人
    ◇優しそうな外見の人
    ◇自分や家族の名前を知っている人
    ◇困っている人
    ◇楽しい遊びに誘ってくる人
    などを「この人は見たことのない怖い人≒悪い人ではないから付いていっても大丈夫」と考えてしまうかもしれません。すべての大人を敵と思わせる必要はありませんが、声をかけられるシーンを具体的に示しておくことで、「いかない」ことへの理解が深まります。

    【想定される声かけの例】
    ◇「○○ちゃん」と名前で呼びかけ「自分はパパ/ママの知り合いで、パパ/ママに頼まれて迎えに来たよ」と話しかけてくる
    ◇「子猫が迷子になっちゃって…」「○○への行き方がわからなくて…」「ケガをしてしまって…」と困っている人から「一緒に来て」と頼まれる
    ◇「みんなでゲームをしよう」「お菓子がたくさんあるから食べに来ない?」と楽しいことに誘われる  など

    「こんなふうに話しかけられても絶対について『いかない』で」と教え、対応策についても具体的に「とくに返事はしなくてもいいからすぐにその場を離れて」と伝えましょう。
    もし「断るときは何て言えばいいの?」と聞かれたら、「いきません」「できません」「おうちの人に確認します」「先生に確認します」「大人の人に聞いてください」といったシンプルな言い方を教えるとよいでしょう。

    「のらない」は親切な誘いにも注意

    「のらない」ことを教える際の具体例でとくに注意したいのは、子どもを動揺させるような声かけと、親切な人を装った声かけです。
    ◇「パパ(ママ)が事故にあった・病気で入院したから一緒に病院に行こう」
    ◇「雨がひどくなるから車に乗りなよ」
    ◇「暗くなってきたから・荷物が重そうだから家まで送ってあげる」 など

    こんなふうに話しかけてきたときはすぐに車から離れ、絶対に車には「のらない」こと、また車の中から何か聞かれても絶対に車のほうに近づいていかないよう伝えましょう。

    ためらわずに「おおごえをだす」指導を

    「いきなり腕や服を引っ張られる」といったケースはもちろんのこと、しつこく話しかけてきたり頭や肩を触ってきたりするなど、ほんの少しでも自分が「いやだな」「怖いな」と感じたら、迷わず、恥ずかしがらずに大きな声で「助けて!」と叫ぶよう伝えましょう。「おおごえをだす」ことには周囲に不審者がいることを伝えて助けを求めるだけでなく、不審者自身をひるませる意味もあります。

    とっさに大声を出すのが難しそうな場合は、防犯ブザーを持たせるのもひとつの手です。防犯ブザーを持たせる場合は、いつでも使えるようブザーを鳴らす練習や電池のチェックを欠かさないようにしましょう。

    一緒に確認!「すぐにげる」ときの駆け込み先は?

    「すぐにげる」の説明では、どこに逃げれば安全なのかを具体的に示すことが大切です。
    まずは「一番近くの、大人の人がいるところに逃げて」と教え、次に交番や警察署、理美容室や飲食店、小売店やコンビニエンスストア、「子ども110番の家」のステッカーが貼ってある民家や店舗など、地域の環境に即した「実際に助けを求めることができる場所」を伝えます。

    ちなみに「子ども110番の家」とは、危険を感じて駆け込んできた子どもたちの一時保護や通報などをおこなう、地域防犯活動の協力者です。家の近所を散歩しているときや買い物に行くとき、よく友達と遊ぶ公園や広場への行き帰りなどに、「子ども110番の家」をはじめとした安全な避難先を一緒に確認しておくとよいでしょう。

    日頃から些細なことでも「しらせる」環境づくりを

    最後の「しらせる」で重要なのは、「どんなに小さなことでも何かあったらしらせてね」と伝えること。具体的には以下のとおりです。
    ◇自分が「いやだな」「怖いな」「困ったな」と思ったこと
    ◇「知らない人に写真を撮られた」「友達が知らない人に話しかけられていた」といった普段とは違うできごと など

    自分からは言い出せないケースもあるので、いつもと違う様子があれば「どうしたの?」「何かあった?」と声をかけてみましょう。
    また、子どもから不審な声かけやつきまといなどについての話を聞いた場合は、周囲への注意喚起が早めにできるよう、迷わず学校や警察に連絡しましょう。
    普段から、また小さいうちから防犯意識を持つことが、将来の安全につながります。警察庁が公開している資料などを参考に、親子でしっかり話し合ってみてください。