必要な人に必要な支援を「令和6年能登半島地震 支援情報ナビ」

妊娠から子育てまでをワンストップでサポートする「ネウボラ」とは?


2017年4月から全国市区町村でスタートした「子育て世代包括支援センター」いわゆる「日本版ネウボラ」の設置。政府は「2020年度末までには全国展開を目指す」としていましたが、現在はどうなっているのでしょうか? 「ネウボラ」の支援内容をおさらいするとともに、現在の設置状況についても紹介します。

「ネウボラ」って何?

「ネウボラ」とは、フィンランド語で「アドバイス(助言)の場」という意味で、フィンランドの全自治体で運営されている妊娠・出産・育児を支援する拠点のこと。フィンランドでは妊娠期から小学校入学まで、同じ担当保健師が妊娠や出産、子育てに関するサポートをワンストップで提供しています。このモデルを参考に日本で構築されたのが「子育て世帯包括支援センター」で、「(日本版)ネウボラ」と呼ばれています。

昨今、日本でも仕事や家事、子育て、介護などさまざまな事情を抱える家庭は多く、子育てを家族のみに委ねると困難が生じやすいと言われています。地域の支援活動にもばらつきがあるので、とくに乳幼児期は親の負荷は高く、インターネットの情報に振り回されて混乱や誤解、基本的な知識の欠落により子育てにつまずいてしまう人も少なくないようです。

日本ではこのような状況を踏まえて、2016年の母子保健法改正(施行は2017年4月から)により「市町村は、必要に応じて子育て世帯包括支援センターを設置するように努めなければならない」という努力義務として規定されています。