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【制度解説】「居宅訪問型保育」とは?

2015年子ども・子育て支援新制度によりスタートした「地域型保育」。
保育の必要な3歳未満のお子さんを対象とする「地域型保育」には、<小規模保育><家庭的保育><事業所内保育><居宅訪問型保育>の4つの事業があり、市区町村ごとに地域の保育ニーズに合わせた保育サービスを実施することになっています。(※利用にあたっては、保育の必要性の認定(3号認定)を受ける必要があります。)
今回はこの4つの事業の中から、お子さんの自宅で1対1のきめ細かな保育が受けられる<居宅訪問型保育>についてご紹介します。

居宅訪問型保育事業とは?

一般的には、3歳未満のお子さんを対象に、障害、疾患などで個別のケアが必要な場合、保育所の閉鎖等により、保育を利用できなくなった場合などに、住み慣れた自宅で1対1を基本とするきめ細やかな保育を実施する事業です。近頃では、待機児童対策としての利用が可能な自治体や、保護者の疾病、疲労その他の環境上の理由により利用ができる自治体もあり、注目されています。保護者と保育担当者による事前打ち合わせなどで、その子に合った保育が自宅で受けられるのが特徴で、場所見知りをしてしまうお子さんには、安心して過ごせるのがいいという声も。保育は、必要な研修を修了した保育士または保育士と同等以上の知識・経験を有する保育者が行います。なお、居宅訪問型保育事業は民間の居宅訪問型保育(いわゆるベビーシッター)と異なり、「保育所保育指針」に準ずる保育内容が求められており、保育料についても認可保育園と同じ水準で定められています。

1日のスケジュールが知りたい!

一例として、ある自治体でのケースをみてみましょう。
年齢によりスケジュールは異なりますが、目安としてはこのようなスケジュールになるようです。
<午前中>
・受け渡し(保護者との引き継ぎ・健康観察など)
・自由遊び(その子に合わせた室内あそびや戸外あそび、おやつタイムなど)
・お昼  (保護者が用意したお昼ごはん、歯みがきなど)
<午 後>
・自由あそび・お昼寝など(室内あそびや戸外あそび、お子さんの様子を見ながらお昼寝など)
・保護者帰宅後の引き渡し(時間延長がある場合は、年齢に応じて保護者が用意した離乳食、夕補食など)
戸外あそびは、主に公園、保育園、図書館、地域のひろばなどへ出かけます。お子さんの好きな遊びやお気に入りのお散歩コースなど、事前打ち合わせができるので親子で安心ですね。

居宅訪問型保育事業利用後の保護者アンケートでは「緊急時の連携がきちんととれていて、事業者より迅速な連絡があり安心しました。」「マンツーマンなので保育園と違う遊び方やアプローチ方法で保育し、子どもの個性に合った方法でお世話してもらっているので、ありがたいと思っています。」「育児のベテランが多く、手遊びや歌などで遊んでもらい、子どもも楽しそうです。」という声があがったようです。

居宅訪問型保育で預かってもらえる日や時間の制限はある?

保育可能日は、基本的に保育事業者によって異なり、月曜日から金曜日(土曜日、祝休日および12月29日から翌年1月3日を除く)としているところもあれば、土曜日もしくは日曜日も利用できるところ、年中無休のところもあります。保育時間は1日につき8時間が原則ですが、利用者の状況に応じて、保育事業者と協議のうえ延長を利用できる場合もあるようです。
事前に、お住まいの自治体の基準や、自治体が紹介する居宅訪問型保育事業者のサービス内容についてご確認ください。

居宅訪問型保育はどこに申し込むの?

お住まいの自治体にお申し込みください。利用にあたっては保育の必要性の認定(3号認定)を受ける必要があります。自治体によって異なりますが、認定後は居宅訪問型保育事業者と自宅などで面談を行い、対応内容・利用時間などを打ち合わせします。打ち合わせた内容を元に利用申請を行い、利用が決定したら、居宅訪問型保育事業者と契約を締結して利用開始となります。ただし場合によっては、希望の保育事業者を利用できない場合もあるようです。詳細については、お住まいの自治体にお問い合わせください。

居宅訪問型保育にかかる費用は?幼児教育・保育の無償化の対象になる?

保育料は基本、他の保育事業と同様、世帯の所得状況やきょうだいの状況、保育必要時間などによって料金を設定しています。その他、延長保育料、保育者の交通費ほか、工作などをした場合の材料費などが必要になる場合もあります。料金は居宅訪問型保育事業者に直接支払います。ただし、2019年10月から始まった「幼児教育・保育の無償化」により、この居宅訪問型保育を含む域型保育事業も、幼稚園、保育所、認定こども園と同様に、3歳から5歳までの子どもと、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもの利用者負担額が助成(無償化)されます。
詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせください。

マンツーマンできめ細かな保育が特徴の居宅訪問型保育事業。地域によってはあまり知られていないという現実もあるようです。お子さんの保育の選択肢のひとつとしていかがでしょう?

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地域型保育(小規模保育、家庭的保育等)の利用について

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