必要な人に必要な支援を「令和6年能登半島地震 支援情報ナビ」

所定労働時間を短くしてもらう|短時間勤務制度

この記事は社会保険労務士が監修しています。

復職されたママやパパの中には、子どもが産まれる前と後とでは、働く環境・条件・生活リズムや時間の使い方が大きく変わったという方が多いのではないでしょうか?

今回は、育児・介護休業法に定められている、所定労働時間そのものを短くする制度「短時間勤務制度」について解説します。

出産後に働く時間の一部を免除する制度

1 時間外労働の免除 法律で決められた労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて働く時間が一部免除される制度です。
2 所定外労働の免除 会社の就業規則などで決められた労働時間を超えて働くことが免除される制度です。
3 深夜業の免除 法律で決められた深夜時間(夜10時から朝5時まで)に働くことが免除される制度です。
4 短時間勤務制度 会社の就業規則などで決められた労働時間が短縮される制度です。

上図 1「時間外労働の免除」、2「所定外労働の免除」、3「深夜業の免除」については、「復職後の勤務時間を調整してもらう|育児・介護休業法による働く時間の一部免除」をご覧ください。

「復職後の勤務時間を調整してもらう|育児・介護休業法による働く時間の一部免除」

短時間勤務制度における勤務時間

短時間勤務制度では、原則として1日の所定労働時間を6時間とする働き方が認められています。
ただ、6時間のコースを含んでいれば、更に短く4時間、少し長めの7時間など、会社側で複数のコースを作ることも認められています。
また、短時間勤務制度における始業・終業時刻については、会社ごとに決めることができ、始業○時・終業○時と時刻が決められているパターンもあれば、1日の勤務時間だけが決められ、始業・終業時刻は会社と本人との話し合いで決めるパターンなどがあります。

なお、短時間勤務制度を利用したとしても、残業や深夜業まで免除されるわけではありません。「できれば残業や深夜業を避けたい」という場合には、「所定外労働の免除」や「時間外労働の免除」「深夜業の免除」の制度を併用することで、働く時間をセーブすることができます。

短時間勤務制度を利用できる人

短時間勤務制度は、3歳未満の子どもを育てるママやパパであれば利用できます。
対象となる子どもを育てていれば、正社員・パート・アルバイトといった雇用形態に関係なく利用できますが、法律上は、次の方は対象とはなりませんのでご注意ください。

  • 1日の所定労働時間が6時間以下の方
  • 日雇い労働者の方
  • 育児休業を利用している方
  • 労使協定(会社と従業員の過半数代表者等による協定)によって対象外とされた次のいずれかの方
    ア.今の会社での雇用期間が1年に満たない方
    イ.1週間の所定労働日数が2日以下の方
    ウ.業務の性質または業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を利用することが困難と認められる業務に従事する方(注釈1)
    (例:国際線のキャビンアテンダントのような長時間勤務が前提の業務、流れ作業の一部を担当し一人だけ短時間とすることが難しい業務など)
    (注釈1)ウ. の対象者については、別途、フレックスタイム制度や時差出勤制度などの代替措置を利用できることがあります。

なお、会社によっては、対象となる子どもの年齢を「3歳未満」に限定せず、「小学校に入学する前まで」と定めたり、更に長く「小学校卒業まで」としたりするなど、独自のルールを設けているケースもあります。

就業規則を確認しておきましょう!

短時間勤務制度は、細かな点まで法律で決められていた育児休業とは異なり、その利用方法を会社によってある程度、自由に決めることができます。そのため、勤務時間や対象者以外にも、主に下記のような点を就業規則などで確認しておくとよいでしょう。

  • 利用期間等
    「利用期間を1か月ごととする」というような、利用期間や単位の制限の有無がある場合もありますので、確認しておきましょう。
  • 手続き方法
    利用開始時や終了時の書式や申し出方法、担当窓口などは、就業規則などで確認できますか?確認できなければ、会社の担当者にあらかじめ確認しておきましょう。
  • 給与等
    会社側にとっては、短時間勤務の利用で短縮された時間については、その分、給与を減額することも認められています。就業規則などにおいて、今までと同じ額が支払われるのか、短縮時間分は減額されるのかについて、ルールを確認しておきましょう。

短時間勤務制度は、休業から復帰したママやパパにとって、復職後の生活リズムを整える上で非常に有益な制度で、実際に利用している方も数多くいらっしゃいます。
これからの自身と家族のライフスタイルをイメージしながら、上手に活用していきたいものですね!

これらの法律や仕組みについて具体的に知りたい方は

 

※本コラムは、令和5年4月1日時点の法律に基づいています。お手続きなどの詳細につきましては、会社のご担当者様にご確認ください。