叱り上手は、ほめ上手!イライラ子育てからサヨナラしよう
叱り方は子どもの成長に合わせて
当たり前のことですが、子どもの月齢によって理解できる範囲が異なります。叱り方も月齢に合わせて変えていきましょう。
子どもは、生後10か月ぐらいからパパやママの表情や身ぶりには意味があるとわかり始めるといわれていますが、その理由までは理解できないようです。この頃は、表情などで「いけないこと」を伝えるに留めましょう。
1歳半頃からは、複数の出来事をつなげてイメージすることができるようになってきます。たとえば、お椀を倒した=中身がこぼれたなど、出来事のつながりが理解できるといった具合です。
ですから、叱るときはその場ですぐに「何がいけないのか」と「どうしてほしいのか」をセットにして、短くてわかりやすい言葉で伝えることを意識してみてください。
2歳半頃からは、生活や遊びのなかの「ルール」に気づき、少しずつ取り入れるようになります。そして自分の気持ちにも気づくので、この頃からは子どもの気持ちを聞いてあげながら、パパママの気持ちを伝えつつ生活のなかのルールを具体的に話すようにしましょう。
個人差はありますが、早い子は4歳半頃から相手の立場で考えられるようになってきます。また、時間の感覚も加わるので、振り返って考えることもできるように。叱るときは「ダメ」というだけではなく、その理由を具体的に説明したり、一緒に考えたりするようにしましょう。
「ダメ」と強く叱って行動を止めることができても、子どもは次にどうすればよいのかまではわからないものです。たとえば、「走っちゃダメ」に続けて「危ないから歩こうね」。「散らかさない」ではなく「使ったらここにしまおうね」と伝えながら、パパママも一緒に片づけてお手本を見せてあげる。根気よく繰り返して続けていくことで子どもも徐々に学んでいくのです。
「叱る」と「ほめる」はセットで考えよう
叱り方のポイントは、ダメなことの具体的な内容とその理由を伝えることですが、きちんと説明することは、ほめるときにも効果を発揮します。子どもの能力やよい結果を単にほめるのではなく、その過程で努力してきたことや挑戦する姿勢、やり方を工夫した点などにも言及しましょう。そうすることで自分のよい点を理解し、「もっとがんばろう」という次の活力にもつながっていきます。
叱るときもほめるときもその事象や結果だけを言及せずに、子どもの行動や考えをきちんととらえて、プロセスやスタンスについて具体的にアドバイスしたり、ほめたりすることで子どもの分別や社会性が育っていくのです。