ピンチは半年後にやってくる
監修:薗部友良先生(育良クリニック小児科顧問、元日本赤十字社医療センター小児科部長)
待ちに待った赤ちゃんの誕生を前に、すくすく元気に育ってくれることを祈る気持ちでいっぱいですよね! でも、赤ちゃんが生まれ出てくるこの世界は、目に見えない病原菌やウイルスがいっぱいあふれています。
と言っても、とりあえずは大丈夫。生後しばらくは、ある程度の抵抗力をもっています。というのは、胎盤や初乳(産後1週間内に分泌されるドロッとした母乳)を通してママから免疫(注釈1)物質を受け取っているからです。ところが、その免疫物質は徐々になくなり…生後6か月頃にはほとんどゼロに!
だから赤ちゃんは自分自身で免疫を獲得しようとがんばるけれど、まだまだ未熟。そんなピンチ状態の時期に、もし重い感染症のウイルスや細菌が体内に侵入してしまったら大変です。赤ちゃんが発病してものすごく苦しんだり、後遺症を残してしまったり、時には命にかかわる危険さえあるのです。
そこで大切なのが、赤ちゃんができるだけ早く、楽なかたちで多種類の免疫(注釈1)を身につけることができるよう、ママがしっかり手助けしてあげること。そのために有効なのが予防接種(ワクチンの接種)です。
注釈1:免疫とは・・・
一度かかった感染症に二度とかからないようにしたり、もし再びかかっても軽くすむようにしたりする、体の防御システムのこと。感染症の原因となる細菌やウイルスを細胞が記憶して、二度目に侵入してきたとき集中的に攻撃、排除します。「はしか(麻しん)」などには一生持つ免疫ができますが、かぜを含め、多くの感染症にはそれほど強い免疫はできません。日頃の健康を保つことが大切です。↑戻る
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